韓国大統領選まで半年 与野党主要候補に明暗 情勢に変化 - 産経ニュース

メインコンテンツ

韓国大統領選まで半年 与野党主要候補に明暗 情勢に変化

【ソウル=時吉達也】来年3月9日に予定される韓国大統領選まで残り半年となる中、与野党主要候補の選挙戦で明暗が分かれている。与党「共に民主党」所属の京畿道(キョンギド)知事、李在明(イ・ジェミョン)氏が党内予備選の緒戦で予想を超える圧勝を収める一方、最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長は在職当時に不当な政治工作を主導した疑惑が浮上。両者が首位争いを続けてきた大統領選レースに変化が生じる可能性もある。

全国11地域で開かれる与党予備選の巡回投票で、初戦・第2戦(4~5日)の舞台となった忠清道(チュンチョンド)は党派性が薄く、近年の大統領選本選では例外なく当選者が勝利した重要地域だった。「予想より高い支持率に感謝している」。李在明氏の合計得票率は54%で、次点の李洛淵(イ・ナギョン)元首相(28%)を引き離した。多くの専門家が「予想外の票差」と口をそろえる圧勝だった。

李在明氏は市長や知事としての政策実行力が評価される一方、過去の選挙を通じて飲酒運転や論文不正など、さまざまな不祥事が発覚した。今回も、公職選挙法違反罪に問われ昨年秋まで続いた裁判(無罪確定)にからむ訴訟費用の不正など、疑惑が続出。追う李元首相側は攻勢を強めたが、「李在明氏の不祥事に耐性がある」(韓国紙記者)党支持者らは「ネガティブキャンペーン」に冷ややかな反応で、李元首相の支持に結びつかなかった。

李知事は7月の韓国紙のインタビューで、日本が竹島(島根県隠岐の島町)の領有権を主張するのは「軍国主義勢力」が「大陸進出の足掛かりにするためだ」とする持論を展開。「軍事的に日本への警戒を緩めてはいけない」などと訴えており、大統領就任時には文在寅(ムン・ジェイン)政権より強硬な対日政策を採用する懸念もある。

一方、「国民の力」の尹錫悦氏をめぐっては検事総長当時、与党関係者が自身や妻を誹謗(ひぼう)中傷したとする告発状の原案を検察内部で作成させ、野党側に告発を促した疑惑が浮上。「検察の中立性を脅かした」と非難する声が高まっている。

尹氏本人は関与を否定するが、当時の検察幹部と野党側のSNS上のやり取りなども報じられており、野党幹部は「尹氏の直接関与が裏付けられれば選挙に致命的な影響がある」と認める。疑惑を報じたネットメディアは、情報源について「国民の力の関係者」だと説明。尹氏は党内予備選が本格化するのを前に〝身内〟から攻撃を受けた形だ。

同党は今後、計3回の投票を通じて予備選候補者を絞り込み、11月上旬に党候補を選出する予定。直近の世論調査では、前回大統領選で次点だった洪準杓(ホン・ジュンピョ)議員が尹氏を猛追するなど情勢に変化が生じており、新たな疑惑を抱えた尹氏は苦しい戦いを強いられそうだ。