【主張】首相とオリパラ 開催にこそ意義はあった - 産経ニュース

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【主張】首相とオリパラ 開催にこそ意義はあった

閉会式に出席した菅首相。左奥は東京都の小池百合子知事=5日夜、国立競技場
閉会式に出席した菅首相。左奥は東京都の小池百合子知事=5日夜、国立競技場

国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長が「ウイ・ラブ・ユー・ジャパン」と声を張り上げて閉会を宣言し、オリンピック、パラリンピックと続いた東京大会は幕を閉じた。

閉会式の貴賓席には、すでに退陣が決まっている菅義偉首相の姿もあった。無観客開催など、残念なことも多くあるが、東京大会の成功は菅政権が残した大きな成果である。

事前のさまざまな世論調査では大会の中止や再延期を求める声が8割前後を推移していた。

野党や多くのメディア、閣内からまで中止論が噴出する中で開催の判断が揺るがなかったのは、いい意味での首相の愚直さによるところが大きかった。

パーソンズ氏は閉会式を前に行った総括記者会見で「新型コロナウイルス禍を考えると、日本が行ったような大会開催は諸外国ではできなかったと確信している。世界は日本が果たした役割を決して忘れない」と述べた。これが国際社会を代表する声である。

共同通信社による緊急の全国電話世論調査では、東京パラ大会が開催されて「よかった」と回答した人が69・8%に上った。

8割の反対から、7割の好評価へ。世論を一変させたのは、選手が大会でみせたパフォーマンスそのものだった。だが大会が実施されなければ、数々の感動の場面を見ることもかなわなかった。

パーソンズ氏は「大会を開催することができたことが、人々の意識を変えているのではないか。共生社会を構築する上で強い機運が生まれている」とも述べた。

大会についての事前の首相批判には「理念がない。開催そのものが意義になっている」というものもあった。大会を終えた今、改めて思う。開催そのものに、十分に意義はあったのだ。

パラ大会の競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)を制した木村敬一は悲願の金メダルを獲得し、こう話して涙した。

「この日のために頑張ってきたこの日って、本当に来るんだな。来ないんじゃないかって思ったこともあったから」

多くの選手に共通する、この思いに応えられただけでも、開催の意味はあった。

菅氏の名は、東京五輪・パラリンピックを成功させた首相として記憶されるだろう。

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