死者12日ぶり減、抑制課題 感染者減も重症高止まり - 産経ニュース

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死者12日ぶり減、抑制課題 感染者減も重症高止まり

国内の新規感染者数が2万5000人を超えた新型コロナウイルス流行の第5波で、1日当たりの死者数(直近7日間平均)が5日時点で、12日ぶりに前日を下回った。4日に今回の波で最多の60人となった後、2日連続で減った。感染者数は減少に転じたものの、重症者数は高止まりの状態にある。自宅療養中の死亡も相次ぐ中で、危機的な医療体制の改善と、死者数の抑制が課題となっている。

新型コロナ感染症では発症から10日目以降に重症化するケースが多く、重症者や死者数の波は感染者数の増加から遅れて生じる。

第5波は感染力が強いインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが進み、7月以降に感染者が急増。8月20日には2万5852人という過去最多の感染が確認された。直近7日間平均では2万3000人を超えた後に減少しているが、9月6日時点で約1万5700人と年明けの第3波、春の第4波のピークを大幅に上回っている。

重症者数は8月26日に2千人になり、9月に入ってからは2200人前後で高止まりし、減少は見通せない。死者は8月中旬から顕著に増え、最多は9月1日の82人。直近7日間平均では4日に60人となり、第5波での最多を更新し、5、6日は58、56人と2日連続で減少した。

第3波では、感染者数(7日間平均)のピークは1月11日の約6500人だった。重症者は15日後の同26日に約1000人、死者数(同)は25日後の2月5日に約100人に達した。

第4波では5月14日に約6400人の感染者(同)を確認。9日後の同23日に死者数(同)が約115人でピークを迎え、その2日後の同25日に重症者が約1400人で最多になった。

第5波はワクチン接種が進んだ高齢者の感染が減った一方で、10~50代の若・中年層の感染が顕著になった。重症者は高齢者に加え、比較的体力があるとされる40、50代の中年層で多く、死者も中年層の割合が高まる。8月上旬以降の死者のうち、厚生労働省が各都道府県に確認できた約500人の年代別内訳は、20~50代が約2割に及んでいる。50代は全体の約1割だった。

病床は逼迫(ひっぱく)し、医療提供体制は厳しい状態で、自宅療養中に容体が急変して死亡する事案が相次いでいる。都内では8月に20人以上確認され、千葉県では、軽症のため自宅療養中だった20代の男性が陽性判明から2日後に亡くなっているのが見つかった。

厚労省に対策を助言する専門家組織座長の脇田隆字(たかじ)・国立感染症研究所長は「自宅で亡くなる人が出ている現状では、病床を空けるために感染者数を早急に減らす必要がある」と指摘している。