国と都、オリパラの負担めぐり攻防 - 産経ニュース

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国と都、オリパラの負担めぐり攻防

5日に閉幕した東京五輪・パラリンピックでは、日本選手のメダルラッシュに国内がわいた一方、新型コロナウイルス禍での無観客開催でチケット収入が大幅に減少するなど、決算の赤字は確実な情勢となった。どこが赤字を負担するのか。国、東京都、組織委員会の3者による負担をめぐる綱引きが、これから本格化しそうだ。

大会の経費は新型コロナの感染対策費用などを盛り込んで膨れ上がり、昨年末段階で1兆6440億円となった。これを組織委(7060億円)▽都(7170億円)▽国(2210億円)-の3者で分担する。今後、収支を計算する決算の作業に入るが、900億円と見込んでいたチケット収入がほぼ無くなり、赤字は避けられない見通しだ。組織委の武藤敏郎事務総長は6日の記者会見で「赤字の規模は今後精査して出てくるが、3者間で解決策を見いだしたい」と述べた。

これに先立ち7月、丸川珠代五輪相は閣議後会見で「組織委でチケットも含めた収入の精査に加え、さらなる経費の精査を行っていくべきだ」と述べ、国の負担に一歩引いた姿勢を見せた。招致段階の立候補ファイルでは、赤字は都が穴埋めし、賄えない場合は国が対処するとしている。丸川氏は、都の財政規模であれば原則通り都が負担すべきだとの見方を示す。

一方、小池百合子都知事は8月の定例記者会見で「取り決めは取り決めである」としながら、負担について「決算時点の話になるので、関係者がそろって協議をしていく仕組みになっている」と述べた。都の負担という流れに予防線を張り、国や組織委と調整が必要だと強調した。

都としては、これ以上の負担増は都議会や都民の反発を招きかねず「はいそうですかと支払うわけにはいかない」(都幹部)。大会延期に伴う追加費用のうち都は1200億円を負担するほか、大会に向けて整備した会場の維持管理にも赤字が見込まれるからだ。

ただ、追加費用は国も710億円を負担しており立場は同じ。政府関係者は「そもそも無観客を言い出したのは小池知事。言い出した都が支払うのが筋だ」と語る。一部でも国が負担する場合、東京以外の地方から反発も予想される。中国地方の自治体幹部は「新型コロナ禍の開催でインバウンドなどの恩恵はほぼなかった。『国の負担』とは『全国民の負担』であり、納得できない」と訴える。

仮に都が負担する場合、新たに補正予算を組むなど予算措置を講じる必要がある。年末には来年度予算の編成も本格化。武藤氏は6日、決算時期について「確定するのは(来年)4月以降だが、大枠はもっと早く決めたい」と述べており、都の担当者は「どんな形であっても早く決着してくれないと動きようがない」と気をもんでいる。

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