タリバン新政権発表に遅れ 穏健派と強硬派対立も - 産経ニュース

メインコンテンツ

タリバン新政権発表に遅れ 穏健派と強硬派対立も

タリバンのムジャヒド報道官(ゲッティ=共同)
タリバンのムジャヒド報道官(ゲッティ=共同)

国内統一を主張したイスラム原理主義勢力タリバンは新政権樹立に向けた準備を進めているが、人事をめぐる詰めの作業に時間がかかっている。内部に主導権争いがあるとの情報もあり、調整が難航すれば、8月15日の首都カブール制圧で生まれた「権力の空白」は継続する可能性がある。

地元メディアなどによると、閣僚は3日に発表される予定だったが延期されている。タリバンのムジャヒド報道官は6日の記者会見で新政権について、内部対立を否定しつつ、「いくつかの技術的な事柄が残っている」と述べた。発表時期は明言しなかった。

新体制の概要は明確になっていないが、穏健派の副指導者、バラダル師が指導的役割を果たす見通しだ。だが、この方針に対して組織内の強硬派が反発しているもようだ。また、米国や国連の制裁対象になっている人物を枢要なポストに据えるかについても議論が続いているという。

内部ではひとまず暫定政権を樹立して権力の空白を解消し、時間を置いて正式な政権を立ち上げる案も検討されている。

4、5日にはタリバンに影響力を持つとされるパキスタン軍情報機関「統合情報部」(ISI)トップがカブール入りし、タリバン側と協議を行った。人事について何らかの調整を行ったもようだ。

ただ、先進7カ国(G7)などが求める諸勢力代表や女性が参加する「包括的政府」の実現は見通せない状況だ。アフガン国家予算の大半は国際支援で賄われていたが、欧米を中心にタリバン新政権の動向を見極めるまで支援を停止する動きが広がっている。新タリバン政権がイスラム原理主義色の強い顔ぶれとなれば、支援の再開は遠のく可能性が高い。(シンガポール 森浩)