25日に台湾国民党主席選 現・元職が激突 対中政策が焦点 - 産経ニュース

メインコンテンツ

25日に台湾国民党主席選 現・元職が激突 対中政策が焦点

台湾最大野党の国民党の全国代表大会で、あいさつする江啓臣主席(共同)
台湾最大野党の国民党の全国代表大会で、あいさつする江啓臣主席(共同)

【台北=矢板明夫】任期満了に伴う台湾の最大野党、中国国民党の党主席選挙(25日投票)に、現主席で立法委員(国会議員に相当)の江啓臣氏(49)と元主席の朱立倫氏(60)ら4人が立候補し、対中政策などを焦点に激しい選挙戦を繰り広げている。

立候補者は4日にテレビ討論を行い、それぞれの政策を表明した。

対中関係をめぐっては、江氏が「現在の憲法の枠組みの中で両岸(中台)関係を推進し、中華民国(台湾)の価値観や尊厳は妥協しない」などと述べ、中国との過度な接近に慎重な姿勢を示した。これに対し、朱氏は「文化、スポーツ分野を含めてもっと中国との交流を進め、来年の北京五輪に積極的に参加すべきだ」などと強調した。

台湾独立志向の与党、民主進歩党と異なり、国民党はこれまで中国との統一を排除してこなかった。しかし昨年の総統選挙で、国民党が擁立した親中派候補、韓国瑜(かん・こくゆ)氏が大敗し、執行部が退陣。その後、「親中路線の見直し」を掲げる若手リーダーの江氏が党主席に当選した。

台湾の野党、中国国民党の朱立倫元主席
台湾の野党、中国国民党の朱立倫元主席

江氏は、中台が「一つの中国」の原則を口頭で認め合ったとされる「92年コンセンサス」について、「時代遅れだ」などと否定的な態度を取り、中国の習近平国家主席が激しく反発。国民党の新主席が就任する際、恒例となっていた祝電を江氏には送らなかった。中国共産党と国民党の関係は悪化し、政党間の交流も事実上中断した。

こうした中で、江氏は新しい対中方針を示すことができず、新型コロナウイルス対策を含めて民進党政権の政策を批判することに終始。国民党の支持率は低迷したままだ。

一方、対中政策を曖昧にする江氏の路線に不満をもった朱氏は、中国との交流を積極的に推進する従来の国民党の対中政策に戻ることを主張している。江氏は若手党員の支持を固めているのに対し、朱氏は党長老や元軍人の応援を受けており、今のところ、五分五分の戦いを展開している。

主席選挙は約37万人の党員による直接投票で行われるが、コロナ禍の影響で投票率が伸び悩む可能性も指摘されており、そうなれば党内の浮動票に頼る江氏に不利だとの分析もある。

国民党主席の任期は4年。台湾では2022年に統一地方選挙があり、24年には総統選がある。次期党主席は国民党の総統候補になる可能性がある。