10年前の紀伊半島豪雨の犠牲者を供養する花火約780発が4日夜、和歌山県新宮市熊野川町で夜空に打ち上げられた。
これまで豪雨被害からの復興に向けて多忙な日々を過ごし、「犠牲者の方々に十分な供養ができていなかった」として、地元有志らでつくるグループが、豪雨から10年の節目に合わせて企画した。
花火は午後8時に打ち上げを開始。犠牲者への献花をイメージして、最初は赤や青などの鮮やかな色から次第に白主体へと色が変わった。
グループの池上順一会長は「亡くなった方々のことは決して忘れない」と語った。
花火を見た市内の僧侶、伊藤秀幸さん(42)は「水害の記憶を風化させない、という地元の方々の強い気持ちを感じました」。伊藤さんの長女で災害の発生した年に誕生した小学4年、瑠花さん(9)は、美しい花火を見て「とてもうれしかった」と感動した様子で話した。