パラ「コロナ禍に希望」と海外記者 課題も指摘 - 産経ニュース

メインコンテンツ

パラ「コロナ禍に希望」と海外記者 課題も指摘

【東京パラリンピック2020】<閉会式>小池百合子都知事(左)からIPCのパーソンズ会長に手渡され、パリのイダルゴ市長(右)に引き継がれたパラリンピック旗=5日午後9時31分、国立競技場(桐原正道撮影)
【東京パラリンピック2020】<閉会式>小池百合子都知事(左)からIPCのパーソンズ会長に手渡され、パリのイダルゴ市長(右)に引き継がれたパラリンピック旗=5日午後9時31分、国立競技場(桐原正道撮影)

13日間にわたり熱戦が続いた東京パラリンピックは5日夜、閉幕した。新型コロナウイルスの影響で開催が1年延期され、無観客という異例の形を取った大会は、海外記者の目にどう映ったのか。

国立競技場であった閉会式は「すべての違いが輝く街」をテーマに、障害や個性を持つパフォーマーが躍動。最後に東京都の小池百合子知事から次の開催地パリのアンヌ・イダルゴ市長にパラリンピック旗が引き継がれ、聖火が消えた。

「五輪より前向きで素晴らしい式だった」と語ったのは、ドイツ公共放送ARDのマルクス・フィリップ記者。障害のある歌手が歌う「この素晴らしき世界」に感動したといい、「コロナ禍の世界に一筋の希望を感じさせた」と絶賛した。

来年、北京冬季五輪・パラ大会を控える中国国営メディアの男性記者は「日本文化や多様性を感じる温かい内容。共生社会を体現した」と称賛。大会運営には「全会場に多くの通訳がいて言葉が通じない選手にも取材できた。北京でも参考にすべきだ」と評した。

多くの海外メディアは大会を好意的に伝えた。

米CNNテレビは閉会式を「カラフルで活力に満ちていた」と評し、無観客ながらも、子供を含む若者がパフォーマーとして明るく盛り上げたと報道。英BBC放送(電子版)は元パラリンピアンのコラムを掲載し、ボランティアの働きぶりを「称賛に値する」とし、感染対策についても「大会中はずっと安全だった。東京到着前は想像できなかった」と評価した。

中国国営メディアはコロナ禍で開催に反対の声もあった大会に対し、「困難を乗り越えた選手たちは世界中から拍手を浴びた。半年後の北京でも明るい未来が待っている」と報じた。

一方、閉会式を取材した障害のある記者は取材に対し、改善点を指摘した。

盲目のブラジル人カメラマン、ジョアン・マイア氏は「花火や太鼓の音で会場の躍動感が伝わった」と閉会式を評価した。ただ、会場周辺は段差が多く、点字ブロックのない場所もあり、ボランティアが手伝う場面が目立ったという。マイア氏は「助けがなくても障害者が過ごしやすい街が理想。改善が必要と感じた」と指摘した。

車いすのメキシコ公共放送局の男性スタッフは「障害者を特別視しない意識を持つことが重要。その考えが広がって初めて、本当の意味で成功といえる」とした。(桑村朋)

ボトムコンテンツ