パラ選手、半数近くが今後の競技環境に不安

東京パラリンピックは5日、13日間の日程を終えて閉幕した。2024年パリ大会への号砲が鳴ったともいえる。日本パラリンピアンズ協会が東京大会開幕直前に実施した調査では、半数近い選手が今後の競技環境について「悪くなる」と考えていることが明らかになった。熱戦の裏側で選手は危機感を募らせている。

調査は7月28日から8月18日にかけて、東京大会と18年平昌冬季大会の代表選手らを対象に実施。169選手が回答した。「10年後の競技環境はどうなるか」との問いに、半数近い48・5%の選手が「国や自治体の支援が悪くなる」と答えた。また34・9%は「個人のスポンサー契約状況が悪くなる」と答えた。東京大会まで充実の一途だった金銭的な支援が、終了を機に減少するのでは、と懸念する選手は多い。財政基盤が弱い競技団体も多く、行政や企業の支援は今後の組織運営や海外遠征などの強化策と直結している。

一方で、回答した選手の71・0%が企業と雇用関係を結んでいた。16年リオデジャネイロ大会前と比べて競技環境が良くなったと感じる選手は、東京大会代表で71・0%(平昌含む全体では68・6%)にのぼっており、競技を続ける環境の向上をうかがわせた。

スポーツ施設でパラスポーツが〝市民権〟を得ているとは言い難い。衝撃的な数字がある。トップ選手の約2割が障害を理由に施設利用を断られた経験があると回答。リオ大会前から横ばいだった。調査を担当した桐蔭横浜大の日比野暢子教授(スポーツ政策学)は「一般の障害のある人たちはもっと断られているのでは」と案じ、「誰もがスポーツを楽しみ、挑戦できる社会を作っていくためにはスポーツ界一体で発展し、支援が持続する競技環境に変えていかなければ」と指摘した。東京大会での選手の躍動は、社会の変化を促すメッセージでもある。(西沢綾里)