万博での環境技術展開を議論 協会が作業部会 - 産経ニュース

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万博での環境技術展開を議論 協会が作業部会

令和7年に開催される大阪・関西万博の運営主体「日本国際博覧会協会」は6日、万博会場内外での次世代環境技術の導入や実証実験のあり方を検討する「タスクフォース(作業部会)」を立ち上げたと発表した。協会が6月にまとめた「EXPO 2025 グリーンビジョン」に沿い、「水素エネルギー」「二酸化炭素の回収・利用」などのテーマごとに有識者らが話し合う。万博を日本社会のあるべき環境分野の未来像を示す場にどこまでできるか注目される。

タスクフォースは16日に第1回会合を開催。グリーンビジョンをどう具体化し、万博会場内外でどういう形の技術導入や実験を行うか検討する。学識者のほか企業、政府関係者も参加する。タスクフォースの設置期間は令和4年3月末までで、協議内容は来春ごろに報告書としてまとめる。

グリーンビジョンは、2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)社会実現と、環境技術の経済成長への活用を目指し、政府が昨年末に策定した「グリーン成長戦略」に沿ってまとめられた。万博運営に関する政府の「基本方針」でも、万博を脱炭素社会の実現に向けた新技術の実験場として活用する方針を示している。

グリーンビジョンはエネルギーマネジメント▽水素エネルギー▽再生可能エネルギー▽廃棄物・リサイクル▽二酸化炭素の回収・利用―の5分野において、関連技術の実証実験などを検討するとしている。

実験は会場内だけでなく万博の参加国などとも連携し、海外を含む会場外でも行うとした。大手企業だけでなく、ベンチャー企業にも積極的な参加を求めている。

万博にあわせ日本企業が優れた次世代技術を開発できれば、その後の日本経済にとり強みとなる。

日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は、「とくに関西経済にとっては絶好の機会になりうる」と指摘する。

大阪府、京都府、兵庫県でのリチウムイオンの生産額は国内生産額の約5割を占める。水素ガスは兵庫県だけで約2割に達する。ほかの地域より次世代環境技術において関西は優位で、万博での開発の果実を、より多く取り込むことができる。

ただ一方で若林氏は、環境分野においては世界的な技術開発トレンドが常に変化しているとも述べ、「その流れをしっかりと踏まえ、開発の方向性を見誤らないことが重要だ」と強調した。(黒川信雄)