【京人】田中伊雅仏具店70代目 田中雅一さん(69)(1/2ページ) - 産経ニュース

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田中伊雅仏具店70代目 田中雅一さん(69)

田中伊雅70代目社長、田中雅一さん=京都市下京区
田中伊雅70代目社長、田中雅一さん=京都市下京区

「ナンバーワンを目指せ」

創業1100年を超える田中伊雅(いが)仏具店(京都市下京区)の70代目として、自らに言い聞かせている言葉だ。

9世紀末に仁和寺(右京区)の門前で創業した国内屈指の老舗に生まれ、幼いころから自然と仏具職人を志すようになった。

高校時代から仕事を手伝い、寺の仏具を中心に個人宅の仏壇の設計にも携わる。自らの言葉に裏打ちされるように、設計した仏具には必ず新しい要素を取り入れてきた。過去にはスワロフスキー社製の青いクリスタルガラスをあしらった天蓋(てんがい)の設計にも挑戦。「新しいものを作らなきゃ。どの寺の仏具も同じなら興味わかないでしょ。納得のいく仏具ができたときには何とも言い難い」と笑顔で話す。

高みを目指す背景には、伝統文化を守りたいとの強い気持ちもある。だからこそ、制作に携わる鋳物師や彫金師らが持つ技術を絶やさないためにも販売する仏具はいずれも高額に設定。「うちは日本一高い仏具屋なんです」と明かす。1千万円を超える商品も取り扱うが、価格に勝る品質で信頼を勝ち取り、上品(じょうぼん)蓮台寺(北区)や竹林寺(高知県)、浅草寺(東京)など全国の寺院に仏具を納めてきた。

仏具の設計に励む傍ら、京都伝統工芸協議会会長などを兼任。今年の祇園祭では、山鉾(やまほこ)の一つ、大船(おおふね)鉾の龍頭(りゅうとう)に金箔(きんぱく)をはる工程にも携わり、幕末の焼失以前の姿の再現に貢献した。