大阪市保健所逼迫 連絡遅れ、学校にも影響 - 産経ニュース

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大阪市保健所逼迫 連絡遅れ、学校にも影響

訂1C大阪市保健所のコロナ対策の主な業務
訂1C大阪市保健所のコロナ対策の主な業務

新型コロナウイルスの感染「第5波」で、感染者に対応する保健所の業務が逼迫(ひっぱく)している。大阪市保健所では、感染経路や濃厚接触者を割り出す疫学調査が遅れ、感染者への最初の連絡「ファーストタッチ」までに最長4日かかるケースも発生。調査の遅れは感染者の出た学校の再開の遅れにもつながり、市内の小中学校では休校期間が長引く傾向がみられる。

「早急に大阪市保健所の業務の仕方を見直す必要がある」。こう危機感を示すのは大阪府幹部。府によると、7月26日~8月18日の間、感染者が宿泊療養施設に入所するまでに要した平均日数は、大阪市外が1・96日なのに対し、市内は3・63日と約2倍の時間がかかっていた。

同市では第4波(3月1日~6月20日)のピーク時、最大約900人の患者への連絡が後回しに。保健所が連絡を取る前に自宅で死亡する感染者も出た。

この反省から、市は7月中旬以降、疫学調査を簡素化して患者への連絡を優先したり、職員を増員したりして体制を強化。医療機関から発生届を受けて2日以内に患者に連絡を取る目標を掲げた。だが、感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」が猛威を振るう第5波では追い付かず、一時は4日かかる状況となった。

学校が調査協力

保健所の逼迫は少なからず学校現場にも影響を与えているようだ。

感染者が出て学校が臨時休校した場合、再開するには保健所が疫学調査を行う必要がある。

市保健所では、第4波までは感染判明の翌日までに疫学調査ができていたが、現在はそれが遅滞。その影響で学校再開が遅れるケースがあり、中には保健所の調査待ちの影響もあって休校期間が1週間以上に及ぶ学校もあるという。

このため市教育委員会は、疫学調査の業務の一部を学校が行うことを決定。今月2日に児童の感染が確認された市立中野小(都島区)は、保護者の了解を得た上で、発症日や症状などの情報を区保健福祉センターに連絡。この情報をもとに濃厚接触者の特定が行われ、休校は1日で済んだ。

大阪府は6日、新たに924人が感染したと発表した。1日当たりの感染発表数が千人を下回るのは8月16日以来だ。市感染症対策課の担当者は「新規感染者数がやや減ったことで、(保健所から)1~2日で患者に連絡できるようになっている」とする。

ただ、感染者数が拡大に転じれば、再び保健所が逼迫する恐れはある。このため市保健所は6日以降、これまでの180人態勢から、他部署からの応援職員で最大200人態勢へと順次拡充していく。

同課の担当者は「市の人材には限りがあるが、2日以内のファーストタッチとなるよう、新規感染者がさらに増えることも想定し、対応したい」と話している。