阪神大震災の被災者に生活資金として国や自治体が貸し付けた「災害援護資金」について、神戸市議会は6日、未返済の709人分、利息を含む計約11億5千万円の債権を放棄し、返済を免除する議案を全会一致で可決した。
市によると、被災者が高齢化する中で新型コロナウイルス禍が重なり、返済が滞るケースがあった。また未返済者のうち317人とは連絡が取れなくなっており、全額回収は困難だと判断した。
一部議員からは「完済した人との間に不公平が生じる」との懸念が示されたが、市は返済期間が四半世紀におよび「生活を立て直すという本来の目的を考えれば、区切りを付けることが大事だ」と理解を求めた。
災害援護資金は国が3分の2、都道府県や政令市が残りを負担し、最大350万円を貸し付ける制度。