パラ金メダル道下美里選手「世界に希望を与えた」地元で支援の今村氏 - 産経ニュース

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パラ金メダル道下美里選手「世界に希望を与えた」地元で支援の今村氏

沿道で掲げられた道下美里選手を応援する横断幕(今村次美氏提供)
沿道で掲げられた道下美里選手を応援する横断幕(今村次美氏提供)

「限界突破! 素晴らしい走りをどこまでも‼」。東京パラリンピックのマラソン女子視覚障害T12で5日、悲願の金メダルを獲得した道下美里選手には、沿道からこのような横断幕が掲げられ、エールが送られていた。横断幕は道下選手の地元、福岡県太宰府市の県立太宰府高校芸術科が制作した。一連の道下選手への地元からの支援を呼び掛けた太宰府ロータリークラブの今村次美氏(68)が、産経新聞に喜びを寄せた。

午前6時50分、私は東京・代々木の国立競技場の前に立っていた。

5年前、現地に飛んだブラジル・リオ大会での記憶が鮮明によみがえった。銀メダルを取った彼女の周りには歓喜の輪ができていた。声を掛けた私に、彼女は満面の笑顔で応えた。しかし、こうも漏らした。

悔しい-。

あの瞬間から今日へのチャレンジは始まっていた。

私は練習で共に走ることはかなわないが、この5年、さまざまな形で応援を続けてきた。大会の延期が決定したときには、皆で励ました。新型コロナウイルス禍で「密」を避けるため大規模な声援が送れなくなると、市内外に呼びかけ約7000枚の応援メッセージも集め、彼女に届けた。

その間も彼女は日々、厳しい練習を重ねてきた。本当に大きく成長された。アスリートとして自信とやる気に満ちあふれた表情で、大会に向かっていった。

スタートからしばらく経った日本橋地点。先頭集団にいた。大きな声を出し、応援できないのが残念だが走りは良い。期待できる。

20キロ地点。パラ大会最終日、世界中のアスリートたちが風をきって走る。どんな困難にも打ち勝ち、本当に生きる希望を感じさせるものだ。素晴らしい。「道下! 頑張れ! 頑張れ日本!」。心の中で叫んだ。

最終盤。外苑西通りに入ってきた。1位だ。2位とは1分以上の差がある。そのまま、伴走者とともに国立競技場に走りこんでいく。金メダルだ!

世界中がコロナ禍や争いで苦しんでいるなか、スポーツはそれを打ち消す力があると、改めて感じた。

道下選手の金メダルは彼女にとっても最高の名誉である。それと同じくらい、私はもちろん、世界中に希望を与えてくれたと思う。

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