【主張】全国学力テスト 今こそ「心捉える」授業を - 産経ニュース

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全国学力テスト 今こそ「心捉える」授業を

小中学生の全国学力テストの結果が公表された。新型コロナウイルス禍で心配された学力の低下は全体的にみられなかったが、休校中のオンライン指導が進んでいないなど改めて課題が浮かんだ。学びの不安解消に一層の工夫を求めたい。

昨年は一斉休校で中止となり、2年ぶりの実施である。小学6年と中学3年を対象に国語と算数・数学の学力の状況を調べた。都道府県別で秋田や福井、石川などが成績上位の傾向は変わらなかった。

コロナ禍での学力については、休校期間が10日未満と、90日以上の学校の比較などで、成績への影響はみられなかった。文部科学省は、夏休みの短縮や土曜授業で補習などを積極的に行い、学習の遅れに対応したとしている。

感染予防に苦心しながら指導にあたった教師らの努力を多としたいが、手放しでは喜べない。

併せて行われた学習状況などのアンケートでは休校中に「勉強に不安を感じたか」で、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した小学生が55%、中学生が63%に上った。

分からないことがあった場合に「家族に聞いた」「自分で調べた」が目立つ一方、教師に聞いた割合は小中とも1割を切る。「分からないことをそのままにした」との回答も1割程度あった。

オンライン指導は思うように進んでいない。「同時双方向型オンライン指導」を一部の学年でも行った割合は小学校で約6%、中学約9%にとどまった。

テレビゲームの1日当たりの時間が増えたのも気がかりだ。ゲームを「全くしない」と「4時間以上」の子供では、各教科の正答率で20ポイント程度の開きがある。

「学校が楽しい」「将来の夢や目標を持っている」と答えた割合も低下している。授業時間確保のため学校行事が減るほか、感染防止で校内の友達との交流や活動が制限された影響とみられる。

何より楽しい学校を取り戻すため教師らの指導力が問われるときだ。オンラインでの工夫を含め、子供たちの心を捉える授業を進める取り組みを支援したい。

全国学力テストをめぐっては競争をあおるなどとして都道府県や市町村、学校別の学力差から目を背ける面があった。コロナ禍克服へ地域の指導力を大いに競い、その実践例と知恵を共有したい。