【主張】コロナ制限緩和 行動指針示し準備進めよ - 産経ニュース

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主張

コロナ制限緩和 行動指針示し準備進めよ

政府の責任で次の段階を考えておくべきは当然だ。今後、社会・経済活動を安全に再開させるためにも、先手先手の対策づくりが欠かせない。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は3日、社会経済活動の制限緩和に向けた議論を行った。尾身茂会長は、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を組み合わせた「ワクチン・検査パッケージ」を提案した。一定のワクチン接種率に達するのを視野に、制限緩和を状況に応じて進めるべきだとした。

尾身氏は会見で、「一般市民や事業者らを含めて、納得感のある議論をするためのたたき台をつくった」と語った。

主な内容は、入院患者や施設入所者の面会、県境をまたぐ出張や旅行、全国から人が集まる大規模イベントや部活動などでの活用を求めた。ただ、国は緊急事態宣言の発令地域でも感染対策を条件に飲食店の酒類提供の容認案を検討中だが、分科会は今のような宣言下での活用は想定していない。

ワクチン接種済みを公的に証明する「ワクチンパスポート」については、所持しない人が社会活動に参加できない懸念があるとして名称変更を提言したが、公平性にこだわらず、パッケージで効果的な活用策を講じるべきだ。

ワクチンを1回以上接種した人は全国で約6割になる。高齢者の新規感染者は減少している。ワクチン接種が有効であることは明らかだ。制限緩和を進めるためにも接種率の向上は欠かせない。

一部の自治体は接種率向上のため、接種1回につき商品券千円分を支給したり、接種済証を見せると商店で割引を受けられる特典を実施した。他の自治体も工夫をこらしてほしい。それが社会・経済活動の安全な再開につながる。

こうした努力は徹底した感染対策が大前提となる。3日時点で全国の重症者は2200人超と過去最多を更新中で、医療機関の病床逼(ひっ)迫(ぱく)も解消していない。緩め過ぎて再び感染拡大したら元も子もない。国には地域の感染状況に応じた行動指針を示し、めりはりの利いた緩和策を求めたい。

解せないのは、感染対策が十分にされた東京五輪・パラリンピックの会場は無観客とする一方、愛知県内で開催された野外音楽イベントには大勢の人が集まり酒類が提供されたことだ。国民が納得するような緩和策が不可欠だ。