5日に行われた東京パラリンピックの閉会式のテーマは「Harmonious Cacophony」。直訳すると「調和の取れた不協和音」となるが、大会組織委員会は「違いが輝く世界」と掲げた。
式ではパラリンピックを目の当たりにした少年が感化される物語が展開され、渋谷のスクランブル交差点をイメージした舞台で、白杖を使ったダンスなどが披露された。
選手たちは開始前からフィールドのいすに着席。日本の最年少メダリストになった競泳の山田美幸(14)らが運んだ日の丸が掲揚された後、各国・地域の旗手のみが次々と入場した。場内には東京の街が表現され、旗手たちは選手の輝きを象徴する鏡を、横たわった東京スカイツリーに貼り付けた。最後にツリーを起こすことで、多様性が輝く街が完成した。
パリへの引き継ぎ式などを経て、ルイ・アームストロングのジャズの名曲「この素晴らしき世界」でクライマックス。式典中、多様性を表す紫色に包まれた聖火が消えた。
この日は東京都心でマラソンが実施され、雷門や東京タワーなど東京を代表する観光地周辺をランナーが駆け抜けた。沿道では観戦自粛を呼びかけたが、一部で「密」も生じていた。