【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】なかった矢野監督への続投要請…ストーブ防ぐ唯一の手は「勝つ」だけ(1/2ページ) - 産経ニュース

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「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

なかった矢野監督への続投要請…ストーブ防ぐ唯一の手は「勝つ」だけ

ベンチで声を出す阪神・矢野燿大監督=甲子園球場(撮影・松永渉平)
ベンチで声を出す阪神・矢野燿大監督=甲子園球場(撮影・松永渉平)

阪神・矢野燿大監督(52)への正式な続投要請は最終結果が出たシーズン終了後…。意味するところは「優勝なら続投」「V逸なら来季監督は再考」と読み取れます。巨人、ヤクルトとの熾烈(しれつ)な優勝争いが続く阪神ですが、舞台裏では予想された「儀式」が正式発表されませんでした。東京オリンピック開催中のペナントレース中断中に行われる、とみられていた藤原崇起オーナー兼球団社長(69)=阪神電鉄会長=の矢野監督に対しての「来季続投要請」の球団発表がなかったのです。最終成績が出るまで監督人事は決められない阪神側の事情が潜んでいる、と見るべきかもしれません。キングメーカーは藤原オーナーではなく、阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫代表取締役会長(72)なのです。

開かれなかった〝恒例〟の儀式

金メダルのラッシュに沸いた東京オリンピック。1964年(昭和39年)以来、57年ぶり2度目の東京オリンピックは日本人選手の大健闘で列島が興奮しましたね。8月8日に閉幕し、東京パラリンピックも9月5日まで熱戦が繰り広げられました。さまざまな障害者が懸命にスポーツに打ち込む姿は感動的です。

この感動のスポーツの祭典が行われている中で、プロ野球のペナントレースは7月15日から8月12日まで中断。同13日から再開されました。阪神は9月3日の巨人戦(甲子園)に逆転勝ちし、再開後の成績は9勝9敗の勝率5割。3日の試合が終わった段階で阪神は首位巨人とマイナス0・5ゲーム差の2位。3位ヤクルトとは1・5ゲーム差です。熾烈な優勝争いは今後も続くはずです。

そうした状況下で、阪神を取り巻く環境に「なぜ?」「どうして?」「何があった?」と首をひねる事態が起きているのです。いや、正確に表現するならば「予測していた事態が起きなかった?」「なぜ発表されるべき事柄が発表されなかった?」と言うべきでしょうか。

何が予想されていたか、といえば「阪神球団から矢野監督への正式な続投要請の発表」でした。それがいまだにないのです。

もう一度書きますが、ペナントレース中断期間は7月15日から8月12日まで約1カ月もありました。タイガースは通常は契約期間途中であっても、この〝夏休み〟中にオーナーは監督と会食などで会い、来季も指揮を委ねる方針ならば「来季も引き続きよろしくお願いします」と続投要請してきました。岡田彰布監督の時も、真弓明信監督の時も、和田豊監督の時も、金本知憲監督の時も…当時のオーナーは「来季続投」を決めているならば、指揮官と会って、「よろしく」と伝えてきましたね。それが阪神タイガースのルーティーン(決まった手順)だったはずです。

「私自身は満足している」-の真意は

今回はチーム状況的にも「真夏の続投要請」は必然的に行われるものだと思っていました。矢野監督は今季が3年契約の最終年ですね。就任1年目から69勝68敗6分けの3位、2年目の昨季が60勝53敗7分けの2位。そして今季は102試合消化時点で57勝42敗3分けです。トータルの成績も常にAクラス。今季も優勝争いとなれば金本、和田、真弓監督よりも好成績を残しています。代える理由は乏しいはずです。