コロナ禍の甲子園を取材して リモートにもどかしさ、選手の輝きに救い(1/3ページ) - 産経ニュース

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コロナ禍の甲子園を取材して リモートにもどかしさ、選手の輝きに救い

無観客で行われた夏の甲子園。選手たちのひたむきなプレーは変わらなかった=8月10日、日大山形―米子東戦(水島啓輔撮影)
無観客で行われた夏の甲子園。選手たちのひたむきなプレーは変わらなかった=8月10日、日大山形―米子東戦(水島啓輔撮影)

2年ぶりに開かれた夏の全国高校野球選手権大会は、コロナ禍での甲子園だった。新型コロナウイルス感染のため史上初めて不戦敗校が2校生じ、試合後の監督や選手への取材は感染防止のためオンラインで行われた。山形支局から取材班に参加した記者は、15年ぶり8度目の甲子園取材。かつて、対面取材で選手たちの喜び、悔しさを伝えてきた身にとって、もどかしさの募る取材だったが、それでも、選手たちの変わらぬ輝きに救われた。

「東京で取材するよ」

画面の中で、選手たちが淡々と話していた。

8月21日、日大山形(山形)と浦和学院(埼玉)の試合後、勝った日大山形の選手たちのインタビュー。コロナ前は、報道陣でごった返す通路で取材していた記者たちは、今回、バックネット裏の屋外にある記者席でイヤホンを耳に、それぞれのパソコン画面を見つめた。

画面に映ったある記者が主将へ質問した。

「堅い守備でしたね」

「毎日のノックでアウトを27個取るまで終われない練習をしていましたから」

どんな練習なのかもっと細かく聞きたかったが、別の選手への質問へ移った。

「ピンチの場面でも落ち着いていましたね」

「内野でしっかりと声がけしたためだと思います」

そのとき「それはどんな言葉だったの?」と聞こうとしたが、聞けずじまい。

対面取材とは異なる、もどかしさを感じた。

リモート取材となると、極端な話、どこにいても取材ができる。中には、画面の背景に自宅の本棚や、新聞社の編集局の様子が映り込んでいる記者もいた。

在京スポーツ紙のベテラン記者がつぶやいた。

「次の試合は、東京から参加することにするよ」