折り畳みスマートフォンは本物の躍進か、それとも「3Dテレビ」の再来なのか(1/3ページ) - 産経ニュース

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折り畳みスマートフォンは本物の躍進か、それとも「3Dテレビ」の再来なのか

サムスンが最新モデルを発表したことで、改めて折り畳みスマートフォンが注目されている。スマートフォンの市場が停滞するなか、折り畳みモデルは本物の躍進になるのか。それとも、3Dテレビのように「見かけ倒しの苦肉の策」に終わるのか。

TEXT BY LAUREN GOODE

WIRED(US)

サムスンがオンラインイベントを8月11日に開き、ハイエンドのスマートフォン2機種とスタイリッシュなふたつのスマートウォッチ、それにカラフルなグミのようなワイヤレスイヤフォンを発表した。今回の発表を見逃していたとしても仕方ない。この激動の時代において、スマートフォンの発表イベントに構っている余裕はない、という人もいることだろう。

だが、サムスンは依然として発表イベントに力を入れ続けている。エレクトロニクスの巨人である同社は、世界最大規模のスマートフォンメーカーでもある。そして、いまも消費者がスマートフォンの発表イベントに関心をもってくれることを切に願っている。

そこでサムスンは、テクノロジーの進む道はひとつしかないことを示そうとしている。新しいスマートフォン、それもできれば折り畳みスマートフォンが、あなたの生活にどうフィットするのかじっくり考えてほしいのだ。そのためにサムスンは機械工学の法則をねじ曲げるかのように、新機種がズボンのポケットに収まるように設計したのである。

さらに進化した折り畳みモデル

改めて、新しい折り畳みスマートフォン2機種を紹介しよう。8月11日のオンラインイベントで発表されたのは、「Galaxy Z Fold3」と「Galaxy Z Flip3」だ。Fold3は本のように横に開き、Flip3は懐かしの折り畳み携帯電話のように縦に開閉する。

折り畳みスマートフォンなんて新しくもなんともないと、ガジェット嫌いは言うかもしれない。それも一理あるのだが、サムスンの折り畳みスマートフォンの革新性はディスプレイにある。大画面を見たいときには屈曲性のある炭素繊維強化ポリマーの層が展開し、そうでないときにはパタンと閉じる。iPhoneにはできない芸当だ。

サムスンの折り畳みスマートフォンの最新モデルは、以前のモデルよりさらに洗練されている(同社が初めて折り畳みモデルを発売したのは2019年で、開発には長い年月を要した)。それでも折り畳みモデルは、依然として「スマートフォンの世界の3Dテレビ」であるといえる。市場が停滞しているときに、新たに消費者の関心を引くことを意図して生み出された製品なのだ。

技術的に高度で、値段も高い。そして製品のユーザビリティーは、そこにコンテンツがどのように映し出されるかに全面的に依存する。したがって、メーカーがいかに技術の粋を集めて製品をつくり上げたとしても、ソフトウェア企業やエンターテインメント企業がこうした近未来的なスクリーンに合うコンテンツを制作してくれるまで待つしかないのだ。

こうした特徴は、いずれも折り畳みスマートフォンの未来にとって好材料とはいえない。だが、楽観的な見通しを示すアナリストもいる。

最もサムスンらしいスマートフォン

サムスンは今回、新たなハードウェアで目を見張るような成果をなしとげた。なにしろ初代の「Galaxy Fold」はディスプレイの不具合によって発売が遅れ、再リリースされた製品も分厚く感じられたし、開閉するたびに関節炎のような音がしたのである。

2020年前半にリリースされた「Galaxy Z Flip」は、Foldの楽しく先進的な“弟分”である。モトローラがかつて販売していた携帯電話「Razr」のように上下に開閉し(ちなみにRazrも折り畳みスマートフォンとして復活を果たしている)、傷への耐久性を備えた新型ディスプレイを搭載していた。

ところが、どちらも非常に高価で(それぞれ1,980ドル、1,380ドル)、しかも革新的なディスプレイを除けば機能は最新かつ最高とはいえなかった。後継モデルとなる「Galaxy Z Fold2」は20年秋に発売され、ディスプレイが大きくなり5Gに対応したものの、サムスンならではの最高性能のカメラを搭載していなかった点が指摘された。

これに対して最新モデルのGalaxy Z Fold3は、おそらくこれまでで最もサムスンらしいスマートフォンになっている。価格は1,799ドル(約19万8,000円)。ディスプレイのリフレッシュレートは非常に高く、防水性能が向上し、サムスンいわく耐久性も大幅にアップした。