バドシングルス初代女王・里見「最高にうれしい」 - 産経ニュース

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バドシングルス初代女王・里見「最高にうれしい」

【東京パラリンピック2020】<バドミントン女子シングルス 車いすWH1決勝>メダルセレモニー 金メダルの里見紗李奈=国立代々木競技場(桐原正道撮影)
【東京パラリンピック2020】<バドミントン女子シングルス 車いすWH1決勝>メダルセレモニー 金メダルの里見紗李奈=国立代々木競技場(桐原正道撮影)

今大会から採用されたバドミントン。女子シングルス(車いすWH1)の里見紗李奈(さりな)(23)が4日、初代女王に輝いた。競技を始めてわずか4年。「最高にうれしい」。笑顔がはじけた。

タイ選手に挑んだ決勝。勢いに押される場面もあったが、「頑張ろう。ここから」と自分を鼓舞した。

得意の「のけぞりショット」に加え、課題だった車いすの後ろへの操作に磨きがかかっていた。第3ゲーム、迎えたマッチポイント。粘る相手に翻弄されながらも、コートを縦横無尽に動き耐えた。最後は相手のミスを誘い、勝利。「ヤー!」。大声を上げた。「やばい、うれしい」。笑顔の中に、涙が光った。

千葉県八街(やちまた)市出身。高校3年だった平成28年、交通事故で脊髄(せきずい)損傷の大けがを負った。ふさぎ込む里見を見た父が、29年春に千葉市の車いすバドミントンクラブ「パシフィック」に連れて行ったのが、競技を始めたきっかけだ。

パシフィックは同じくパラバド日本代表の村山浩(47)や、アテネ、北京パラで車いすバスケ代表だった森紀之さん(50)が所属する名門。当初は積極的ではなかったが、森さんらに誘われ、のめりこんだ。ほぼ毎日、4時間以上、練習に熱中した。

表情は徐々に明るくなった。「素は明るい子だと思う。同じような障害を持っている僕たちが楽しくやっているのをみて、そうなったのかな」と森さん。

実力も伴った。バド経験は中学の部活のみだが、同年12月の日本選手権、シングルスで準優勝。2019年の世界選手権では優勝に輝いた。東京パラの金メダルが目標になった。

「研究家」「真面目」「的確」。周囲はそう評価する。自分の試合は録画し、振り返る。コーチがラケットの面を地面と垂直にして下ろすよう指導すると「チョップですね」と的確な言葉で表す。努力で秘めた才能を開花させた。

「信じられないくらいうれしい。夢みたい」。5日はダブルスの決勝。目指すは2冠だ。(橘川玲奈)

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