【動画】日英連携で対中〝包囲網〟強化 英最新鋭空母の日本寄港 英国には課題も - 産経ニュース

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日英連携で対中〝包囲網〟強化 英最新鋭空母の日本寄港 英国には課題も

米軍横須賀基地に入港する英空母クイーン・エリザベス(写真奥)。米軍や海上自衛隊の艦船と並んでの入港となった=4日午後、神奈川県横須賀市(鈴木健児撮影)
米軍横須賀基地に入港する英空母クイーン・エリザベス(写真奥)。米軍や海上自衛隊の艦船と並んでの入港となった=4日午後、神奈川県横須賀市(鈴木健児撮影)

政府は、英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」の日本寄港を歓迎している。日米豪印の枠組み「クアッド」に加え、英国をはじめとする欧州諸国のインド太平洋地域への関与強化は、海洋進出を強める中国に対する〝包囲網〟の形成

につながるためだ。ただ、英国の同地域でのプレゼンス(存在感)強化には課題も指摘される。

7月に来日したウォレス英国防相は、菅義偉首相への表敬で「同盟」という言葉を使い、空母派遣を「われわれの価値観を損なおうとしている競争相手に、戦略的な力を示さなければならない」と述べた。防衛省幹部は「自由で開かれた海洋秩序を乱すことは許さないという英国の意思と能力の表れだ」と解説。英与党・保守党の元議員は、クアッドに参加する日本との防衛協力は「英国が同地域への関与を強化させたことを世界に示す象徴的な出来事だ」と評価する。

英国はウォレス氏の来日に合わせて哨戒艦2隻の恒常展開を発表しており、関与強化は今後も続く見通しだ。日本政府は、自衛隊と英軍が相互訪問する際の手続きを簡素化する円滑化協定の締結を検討している。

中国〝包囲網〟の形成は英国にとどまらない。5月には陸上自衛隊、フランス陸軍、米海兵隊が初めて日本で本格的な実動訓練を実施。8月下旬にはアフリカ東部ソマリア沖アデン湾で海上自衛隊とドイツ海軍が共同訓練を行った。独フリゲート艦は年内に日本に寄港する計画だ。先月から始まった日米豪印の共同訓練「マラバール2021」は米領グアム周辺や西太平洋で行われ、クアッドの取り組みも定例化しつつある。

ただ、英国際戦略研究所(IISS)のロバート・ワード氏は「英国がインド太平洋地域で存在感を長期的に示せるかは疑問だ」との見方を示す。専門家の中には、南シナ海での中国の脅威を考慮すれば哨戒艦より大型のフリゲート艦の方が常時展開に適しているとの指摘がある。だが、英政府は3月に公表した「統合レビュー」で、インド太平洋地域への関与強化を示しつつも、ロシアを「最大の脅威」と位置づけた。

英海軍が保有するフリゲート艦は10隻余りで、今後の退役で減少する可能性もある。限られた戦力をインド太平洋に投入する余裕がなかったとみられる。ロシアの脅威への対応にも迫られる中、英国が同地域で存在感を維持できるかが課題となりそうだ。(大橋拓史、ロンドン 板東和正)

【フォト特集】英最新空母「クイーン・エリザベス」、日本に初寄港 横須賀