都市型産地「大阪ワイン」にブランドのお墨付き

府内のワイナリーの強みは、都心まで1時間とかからないアクセスの良さだ。協会によると、消費地にこれほど近いのは世界的にも珍しいという。

都市型の利点を生かし、協会員の「河内ワイン」(羽曳野市)は、約1・5ヘクタールの畑のうち約半分の管理をボランティアに依頼している。大半は取引先にあたる大阪市内の飲食店の店主らで、休業日の日中にブドウの栽培や収穫、仕込みを手伝ってもらっている。

同社のノウハウをもとに店主らの発想や工夫を取り入れ、商品への愛着や責任感を育むのが狙いだ。金銅(こんどう)重行社長(42)は「自ら手掛けたワインの味わいは格別。ファンづくりにもつながっている」と語る。

行政もバックアップ

カタシモワイナリーでは高井さんが畑の案内役を務める見学会を開き、令和元年には訪日外国人を含む延べ約1万人が参加した。地元の企業や福祉施設に高齢のブドウ農家を支援してもらったり、菓子メーカーと商品を開発したり、地域に根差した活動に汗をかく。

「GI」のシールが貼られたカタシモワイナリーのワイン=9月1日、大阪府柏原市(南雲都撮影)
「GI」のシールが貼られたカタシモワイナリーのワイン=9月1日、大阪府柏原市(南雲都撮影)

行政も後押しする。環農水研ではワイン専門の研究拠点がワイナリーと連携し、「大阪R N―1」のほか、巨峰の交配により誕生した「ポンタ」など新品種の開発を進める。今回のGI取得前はブドウの糖度やワインの酸といったデータ測定などを支援。府も海外品評会への参加助成など販路開拓をバックアップする。

目下の悩みの種は、新型コロナウイルス禍だ。緊急事態宣言をはじめとする自粛期間の長期化に伴い、飲食店は軒並み休業を強いられ、ワインの消費は低迷。見学会や試飲会も延期や中止に追い込まれた。そうした事情があるだけに、GI取得という明るい話題に関係者の期待は膨らむ。

府の担当者は「コロナに負けず、大阪ワインが世界に通用するブランドにレベルアップできるよう後押ししたい」と話した。(吉国在)

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