IR汚職 秋元司被告に7日判決 全面対決どう判断

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で収賄などの罪に問われた衆院議員、秋元司被告(49)と同罪の共犯に問われた元政策秘書、豊嶋晃弘被告(42)の判決公判が7日、東京地裁で開かれる。検察側は懲役5年、追徴金約758万円を求刑。贈賄側はすでに有罪が確定しているが、両被告は全面無罪を主張している。贈収賄事件で国会議員が1審判決を言い渡されるのは17年ぶり。地裁の判断が注目される。

秋元被告が問われているのは、IR担当の内閣府副大臣時に贈賄側から現金提供や旅費負担を受けた収賄罪と、贈賄側に対し現金を提供して証言を覆すよう依頼した組織犯罪処罰法違反(証人等買収)罪の2つ。

これまでの公判で秋元被告は、平成29年9月に議員会館で受け取ったとされる現金300万円は「もらっていない」、贈賄側が開いたシンポジウムの講演料200万円については「協力の対価という認識で、便宜を図ってほしい趣旨とは思わなかった」と主張。同年12月と30年2月の中国と北海道への旅費についても「秘書が払ったと思っていた」などと反論している。

買収についても「なぜ真実を話さないのか、その理由を知りたかった」と、贈賄側に偽証を求める意図はなかったとしており、全面的な無罪を訴えてきた。

一方、検察側は「弁解を裏付ける客観的な証拠や関係者の供述は存在しない」と主張。収賄については「IR事業の整備に対する社会の信頼を失墜させた」、証人買収については「立法府の一員としてあるまじき犯行」と断じ、厳罰を求めてきた。

一連の事件では、贈賄側の中国企業「500ドットコム」元顧問(50)らや、元顧問らに証人買収を持ち掛けた元会社役員の男らなどが、いずれも起訴事実を認め、有罪判決が確定している。

いずれの判決でも秋元被告の関与が認定されており、秋元、豊嶋両被告の主張が、どこまで説得力のあるものだったと認められるかがポイントとなる。

現職の国会議員が収賄事件で1審の判決を迎えるのは、平成16年に当時衆院議員だった鈴木宗男現参院議員が、あっせん収賄などの罪で実刑判決を受けて以来。東京地検特捜部による久々の中央政界の汚職捜査への評価が注目される。

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