【話の肖像画】台北駐日経済文化代表処代表・謝長廷(75)(4)日本を舞台に深めた米台交流(2/2ページ) - 産経ニュース

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話の肖像画

台北駐日経済文化代表処代表・謝長廷(75)(4)日本を舞台に深めた米台交流

《謝代表が台湾に戻っていたらワクチン緊急輸送や書類作成など対応は難しかったか》


もちろん代表処には有能な職員が多数います。時間をかければ可能だったかもしれない。繰り返しになりますが私はそもそも台湾の弁護士で、重要書類を自分で作成できます。元行政院長(首相)でもあり、時間との勝負だったこのタイミングに駐日代表という立場にいて、手続きも日本側との交渉も迅速にできたのは幸いでしたね。

PCR検査で職員の陽性反応には心配しましたが、後になって考えてみると結果的には悪いことばかりでなかった。むしろ偶然というよりは、これは必然的な出来事だったのかもしれません。これまでの人生を振り返っても偶然なことなどはなく、いつも天の差配に導かれてきたような気がしますから。


《新型コロナの感染状況が日本は再び悪化しているが》


確かに台湾では一時、「なぜ医療水準も衛生観念も世界一の日本で感染が広がったのか」と首をかしげる人も多かったですね。ただ日本は東京五輪への準備や法的な課題もあって、私権制限を伴う厳格な感染症対策が難しい事情がありました。

一方で、台湾は2003年に海外から流入した重症急性呼吸器症候群(SARS)で多数の死者を出した苦い経験から、感染症への万全な準備態勢を整えていました。私も当時、高雄市長として力を尽くしました。強制力のある法的措置がとれる素地が台湾にはあったのです。

改めて世界全体を見渡してみて、何万人、何十万人もの死者を出した諸外国に比べ、日本はやはり先進的で立派な感染症対策をしたのだと感じます。(聞き手 河崎真澄)

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