緊急事態解除「厳しい」 首相辞意で対策停滞に懸念 福岡知事 - 産経ニュース

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緊急事態解除「厳しい」 首相辞意で対策停滞に懸念 福岡知事

記者会見する福岡県の服部誠太郎知事
記者会見する福岡県の服部誠太郎知事

福岡県の服部誠太郎知事は3日の記者会見で、12日を期限に県内に発令されている新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言ついて「12日で解除するには非常に厳しい状況にある」との認識を示した。県内では新規感染者数の急増には一定の歯止めがかかっているものの、依然として高い水準にあり、病床使用率も6割を超える。菅義偉首相が辞意を表明したことで、コロナ対策が停滞する懸念もあり、宣言解除は見通せていない。

県内では3日、新たに732人の感染者が確認された。8月18日に過去最多の1253人に上って以降、1日の感染者が1千人を超える日が続いたが、今月1日までの直近3日間の平均は776人と、ピーク時からは減少している。

ただ、政府分科会が示す指標に照らすと、直近1週間の新規感染者は人口10万人当たり121・9人で、最も深刻な「ステージ4」の基準(25人)をはるかに上回っている。病床使用率も61・4%でステージ4の基準(50%)を超えており、高い水準が続いている。

感染急拡大のピークは越えたとの見方もあるが、服部氏は「楽観的な見通しは許されない」と話す。夏休み明けの学校再開などで感染拡大のリスクがあるとし、「今後の動向を慎重に見ていく必要がある」と気を引き締める。

ワクチン接種の進展で、高齢者の感染や入院は抑制されている。8月29日現在、ワクチンを2回接種した県内の65歳以上は88%に上る。同日までの1週間で、県全体の新規感染者に占める65歳以上の割合は4%、60代以上の入院患者も全体の22%にとどまっている。

県全体の接種率は39%で、県はさらに接種を加速させるため、新たに中小企業や大学などの職場接種を支援する事業を始める。会場使用料や備品購入費などを補助する方針で、事業費2億3800万円を含む補正予算案を9月県議会に提案する。

感染の収束が見通せない中で、懸念されるのは政治の混乱による影響だ。自民党総裁の菅氏は3日、これまでの姿勢を一転し、29日投開票の総裁選への不出馬を表明した。菅氏は「コロナ対策に専任するため」と理由を説明するが、レームダック化した菅政権や政局に突入した与党の下では、機動的な対応がとられない可能性もある。

服部氏は「(コロナ対策の停滞は)あってはならない。首相の任にある間は、しっかりとリーダーシップを発揮して取り組んでもらいたい」と注文をつけた。(小沢慶太)