「アルビノ」の女性、東京を駆け抜けた 挑戦支えた日本にも「謝意」 - 産経ニュース

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「アルビノ」の女性、東京を駆け抜けた 挑戦支えた日本にも「謝意」

【東京パラリンピック2020】<陸上女子400m視覚障害T13>自己ベストタイムの5位でフィニッシュしたザンビアのモニカ・ムンガ=国立競技場(鳥越瑞絵撮影)
【東京パラリンピック2020】<陸上女子400m視覚障害T13>自己ベストタイムの5位でフィニッシュしたザンビアのモニカ・ムンガ=国立競技場(鳥越瑞絵撮影)

生まれつき肌や髪の色素が少ない「アルビノ」の女性が東京で輝いた。東京パラリンピックのザンビア代表、モニカ・ムンガ(22)が2日夜、陸上女子400メートル(視覚障害T13)で自己ベストを約3秒更新する走りを披露。「アルビノと健常者の違いは色だけ。私も素晴らしい経験ができた」と語り、陰で挑戦を支えた日本にも感謝を示した。

雨の降る中、国立競技場の舞台をかみしめるように入場。スタート直後に先頭から離されたが1人追い抜き、最後まであきらめずトラックを駆け抜けた。

アルビノで幼い頃から視力が弱く、家族で1人だけ肌が白かった。同国ではその身体の一部を得ると幸運になるとの迷信から、「アルビノ狩り」という襲撃事件も発生。自身も親族から「呪術のため」と血を抜かれ、父親に暴力を振るわれた。殺された友人もいる。

だが、12歳で出合った陸上が人生を変えた。紫外線に弱く、帽子や長袖で直射日光を避けて練習。「差別や偏見から解放される時間だった」という。母国には適切な知識を持つコーチがいなかったが、その課題を埋めたのが日本だった。

2018~19年、途上国の選手を育てるスポーツ庁の支援事業で2度来日。日本体育大で身体の作り方など、基本の知識とトレーニングを教わり、帰国後も〝日本流〟を貫いた。

現地では、国際協力機構(JICA)の海外協力隊も支えた。体育教員として器具を使わない体幹トレーニングなどを指導した野崎雅貴さん(26)は「パラ選手は競技場を週1回使えるかどうか。環境が悪くても意識を高く持ち、頑張っていた」と振り返る。

競技では全体の14位で決勝には進めなかった。だがレース後、「日本の支援なしではこの舞台に立てなかった」と感謝を示し、「この経験を持ち帰り、アルビノや障害があっても素晴らしい経験ができることを発信したい」と力強く答えた。(桑村朋)

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