沢口靖子「科捜研の女-劇場版-」シリーズ史上最強の敵に挑む

「科捜研の女-劇場版-」主演の沢口靖子=13日、東京・銀座の東映(酒巻俊介撮影)
「科捜研の女-劇場版-」主演の沢口靖子=13日、東京・銀座の東映(酒巻俊介撮影)

平成11年の放送開始から20年以上続く警察の付属機関「科学捜査研究所(科捜研)」を舞台にした人気ドラマ「科捜研の女」シリーズ。その初の劇場版にはレギュラーメンバーが集結し、シリーズ史上最難関の世界同時多発不審死事件に挑む。科捜研の法医研究員、マリコを演じてきた沢口靖子に聞いた。

沢口はこの作品で本格的なワイヤアクションにも挑戦。「最高で高さ4メートルぐらいまでつられ、細胞が震えるぐらいの恐怖体験だった」と振り返る。「クレーン車を使った大掛かりな撮影も行われ、映画ならではのダイナミックなスケール感を楽しんでほしい」という。

また、クライマックスシーンは昨年11月、紅葉で有名な東福寺(京都市)で撮影された。「照明さんのライトも加わって、幻想的な美しい紅葉の映像も魅力」と語る。

今回、メガホンを取ったのはテレビシリーズも手掛けてきた兼﨑(かねさき)涼介。監督からは「マリコがメンバーにむちゃなお願いをするところは、いつもの〝ドラマサイズ〟から〝スクリーンサイズ〟にしてほしいとリクエストがあった」と明かす。

沢口は20年以上、マリコを演じてきた。「私の分身のような存在。仕事になるとストイックになってしまうところが自分と似ているかもしれない」という。私生活でもつい〝分析〟してしまうことも。「友人からは『まるでマリコさんみたい』と笑われた」と苦笑する。

映画「科捜研の女」の一場面(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会
映画「科捜研の女」の一場面(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

シリーズを通して、「レーザー盗聴器」「赤外線サーモグラフィーを応用した熱線暗視装置を搭載したラジコンヘリ」など科学捜査の〝新兵器〟も登場してきた。ハンディー3Dスキャナーを使って身元を特定する方法は、「ドラマの放送後、警察での実用化も決まったそう。『科捜研の女』は時代を半歩リードしている」と冗談っぽく笑った。

最後に見どころを端的に紹介。「先の見えないスリリングな展開に元レギュラーメンバーが勢ぞろいした豪華なキャスティング。シリーズ史上最強の敵役の天才科学者との対決、そしてマリコの最後の決断にもご注目ください」

<あらすじ> 京都、ロンドン、トロントなどで科学者の転落死が相次ぐ中、未知の細菌を研究する天才科学者(佐々木蔵之介)が捜査線上に浮上。しかし殺人を裏付ける証拠が見つからず、マリコ(沢口靖子)ら科捜研のスペシャリストたちは苦境に立たされる。

3日から東京・丸の内TOEI、大阪・梅田ブルク7などで全国公開。1時間48分。(水沼啓子)

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