首相、失策重ねたコロナ経済対策 支持率下げる - 産経ニュース

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首相、失策重ねたコロナ経済対策 支持率下げる

街頭のテレビ画面を見る人=3日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
街頭のテレビ画面を見る人=3日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

発足からわずか1年間で退陣が決まった菅義偉(すが・よしひで)政権は、昨年後半以降の新型コロナウイルスの急速な再拡大に振り回され、失策を重ねた。度重なる緊急事態宣言でサービス業などに営業自粛を強いながら、支援策は必要な人々の手元に届かず、国民と隔たりが広がっていく。最近は飲食店が政府の酒類提供禁止要請に耳を貸さなくなり、コロナ対策は実効性を失っていた。

「爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜く。社会経済活動を再開し経済を回復していく」

令和2年10月26日、首相は衆院本会議での初の所信表明演説でこう強調し、コロナ抑止と経済再生の両立に注力する考えを示した。

9月16日の発足時、報道各社の内閣支持率は軒並み60%を超えた。夏場の感染「第2波」を乗り越え、2年度後半には経済正常化が進むと期待感が強まった。

だが、11月から第3波が広がり出すと状況は一変。感染者数が増加する中で観光需要回復の切り札だった「Go To トラベル」がやり玉に挙がった。首相は官房長官時代の7月に肝いりで導入したトラベル事業の継続に腐心したものの、高水準を維持してきた支持率は12月に10ポイント以上急落。同月14日には全国で「一時停止」の表明を迫られた。

3年の年明け以降は、断続的な感染再拡大で緊急事態がほぼ日常化した。政府は1月8日に発令した2回目の宣言に伴い、時短要請に応じた店に1店舗当たり1日最大6万円の協力金を支給したが、小規模個人店では営業するよりもうかる〝特需〟が生まれた半面、規模が大きな店の損失は補えず逆に不満が高まった。

飲食店への協力金や中小企業向けの実質無利子・無担保融資などコロナ対策は支給遅れが目立ち、2年度に3回編成した補正予算計73兆円のうち4割の30兆円超が3年度に繰り越した。政府に反発した飲食店の営業強行で、宣言下でも繁華街が酔客でにぎわう皮肉な光景が広がった。7月には西村康稔経済再生担当相が酒類提供禁止に従わない飲食店に圧力をかけるため、高圧的な発言を繰り返してさらなる反発を招いた。

変異株拡大とワクチン接種の遅れも重なって経済の再開は遅れ、足下で4回目に入った緊急事態宣言の延長・拡大に合わせて支持率は下落。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、1月以降52%前後をキープした支持率は5月に43%まで急落し、直近の8月には32%に落ち込んだ。