タリバン幹部、要職を独占か 女性起用見送りへ - 産経ニュース

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タリバン幹部、要職を独占か 女性起用見送りへ

政権掌握後、初めて記者会見を開いたタリバン=8月17日、アフガニスタン・カブール(ゲッティ=共同)
政権掌握後、初めて記者会見を開いたタリバン=8月17日、アフガニスタン・カブール(ゲッティ=共同)

【シンガポール=森浩】アフガニスタンで実権を握ったイスラム原理主義勢力タリバンが近く新政権を発足させる。最高指導者のアクンザダ師を頂点にタリバン幹部が要職を独占するもようで、国内諸勢力代表らが参加する「包括的政府」が実現するかは不透明だ。女性の主要ポスト起用も見送られる見通し。民主制は否定され、過激なイスラム原理主義に基づく「新タリバン政権」となりそうだ。

タリバンは8月下旬以降、タリバン発祥の地である南部カンダハル州にアクンザダ師ら幹部が集まり、政権作りを協議。その枠組みを大筋で固めた。

ロイター通信や地元メディアによると、選挙など民主的な制度は採用されず、政府の上位機関としてアクンザダ師をトップとする「統治評議会」が設置される。主要閣僚には、政治部門トップであるバラダル師、最強硬派「ハッカニ・ネットワーク」を率いるハッカニ師、初代最高指導者オマル師の息子のヤクーブ師-の副指導者3人が起用されるもようだ。

タリバンは8月15日の首都カブール制圧以降、新政権は国内の各勢力代表が加わる「包括的政府になる」と表明し、アブドラ国家和解高等評議会議長やカルザイ前大統領ら国内有力者と会談を重ねてきた。有力者らは閣僚ではなく、統治評議会の一員としての政権入りが取り沙汰されている。

焦点となっている女性の登用については、政治部門幹部が英BBC放送のインタビューに「(新政権に女性は)いないかもしれない」と発言。閣僚など主要ポストには起用されない可能性がある。

新体制が動き始めても、課題は山積する。過去20年間、国家予算の大半は国際支援で賄われていたが、欧米を中心にタリバン新政権の動向を見極めるまで停止する動きが広がる。先進7カ国(G7)などは包括的政府を求めており、新体制の中身によっては支援再開は遠くなりそうだ。

30万人以上からなるアフガン政府軍の再編も見通しが立っていない。8月26日にカブールの空港付近で自爆テロを起こしたイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)傘下の「ホラサン州」(IS-K)の押さえ込みも課題だ。また、タリバン内ではバラダル師ら穏健派とハッカニ師ら強硬派の路線対立もある。採用する政策によっては対立が本格化し、政権運営が停滞する可能性もある。