露、北方領土全域で税優遇へ 実効支配を強化 - 産経ニュース

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露、北方領土全域で税優遇へ 実効支配を強化

プーチン大統領(タス=共同)
プーチン大統領(タス=共同)

【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は3日、露極東ウラジオストクで開かれた露主催の国際会議「東方経済フォーラム」の全体会合で演説し、ロシアが不法占拠する北方領土全域に新たな税優遇措置を導入すると表明した。国内外から投資を呼び込んで北方領土の開発を促し、実効支配を強めることで、日本を牽制(けんせい)する狙いとみられる。

日本は露主導の北方領土開発や第三国からの投資呼び込みは容認できないとする立場。今回の措置が、日露平和条約の締結交渉に悪影響を及ぼすのは確実だ。

新たな措置は、クリール諸島(北方領土と千島列島)で活動する国内外の企業に所得税や固定資産税などを10年間免除する内容。露政府が具体化に向け作業中で、プーチン氏は導入時期には言及しなかった。

ロシアは2017年、北方領土・色丹(しこたん)島の一部を経済特区に指定。今回の措置は実質的に特区を北方領土全域に拡大するもので、プーチン氏は「前例がない。日本や近隣国の企業が利益を享受できる」と述べた。新措置導入案は今年7月、択捉(えとろふ)島を訪れたミシュスチン首相が明かしていた。

プーチン氏は日露平和条約にも言及。平和条約が存在しないのは「ナンセンスだ」とした一方、「ロシアは対話を拒否したことはないが、日本側の状況が常に変化している」と述べた。

東方経済フォーラムには安倍晋三前首相が16~19年に出席。プーチン氏と会談を重ねてきた。新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となった今回、菅義偉首相は出席しなかった。

全体会合にはカザフスタンのトカエフ大統領とモンゴルのフレルスフ大統領がオンライン形式で参加。中国の習近平国家主席とインドのモディ首相、タイのプラユット首相らもビデオであいさつした。