最高裁判事に就任した元第一東京弁護士会会長の岡正晶氏(65)と前東京高検検事長の堺徹氏(63)が3日、東京都千代田区の最高裁で記者会見した。岡氏は「これまでの経験を生かしたい」、堺氏は「謙虚な姿勢で、誠心誠意務めていきたい」と、それぞれ抱負を語った。
香川県出身の岡氏は、昭和57年弁護士登録。企業倒産関係事件を多く手がけ、法務省法制審議会民法部会の委員や日本弁護士連合会の副会長などを歴任したほか、住友生命保険や三井住友銀行の社外取締役も務めた。
弁護士時代について「よく調べ、よく考え、分かりやすく説明する、というのを信条としてきた」とし、「他の裁判官と化学反応が起きるような、充実した話し合いをしていきたい」と話した。
昭和59年に検事となった堺氏は、和歌山県出身。仙台高検検事長などを経て東京高検検事長を務め、今年7月に辞職した。政財界を巻き込む汚職事件などの捜査を指揮する東京地検特捜部長の経験も持ち、「捜査で得た知識を、公正公平で適正妥当な判断に役立てたい」と意気込みを述べた。
両氏は、ともに定年退官した弁護士出身の木沢克之氏と検察官出身の池上政幸氏の後任。最高裁判事15人の男女比率は男性13人、女性2人で変わらない。