総裁選不出馬、自民関係者に動揺と期待感 埼玉 - 産経ニュース

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総裁選不出馬、自民関係者に動揺と期待感 埼玉

菅義偉首相の自民党総裁選不出馬を報じるニュースが映し出された街頭の大型画面=3日午後、埼玉県川口市のJR川口駅前(深津響撮影)
菅義偉首相の自民党総裁選不出馬を報じるニュースが映し出された街頭の大型画面=3日午後、埼玉県川口市のJR川口駅前(深津響撮影)

菅義偉首相が3日、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補しない意向を表明した。次期衆院選を前に、新型コロナウイルス対応への批判を背景とする求心力低下の責任を負った形だ。ただならぬ事態に対する驚きと、「看板」が掛け替わることへの安堵―。前回衆院選で15選挙区のうち13選挙区を党公認候補(追加公認含む)が制した「自民王国」の埼玉県でも、党関係者の間に動揺と期待感が交錯した。

3日の自民党臨時役員会に党幹事長代理として出席していた埼玉県連会長の柴山昌彦氏(衆院埼玉8区)は、首相の唐突な不出馬表明に言葉を失った。

「皆、言葉もないといった様子だった」と柴山氏。首相は、決断の理由として新型コロナウイルス対策に軸足を置くことの必要性を淡々と語った。

党内では数日前から首相が総裁選出馬を断念するという観測が出回っていた。明確な根拠を伴う推論だったかはともかく、そうした憶測が広がること自体、首相の求心力低下が尋常ならざるレベルに達していたという証左にほかならない。

柴山氏周辺は「なかなかコロナ対応の結果が出ない中で頑張ってくれた」と首相を評価する一方、衆院選を前にトップが代わることへの期待感を口にする。

「ここまで内閣支持率が下がっていたので、首相が代われば今より上がるのかなと思う。選挙を戦う上ではプラスになる」

衆院選で埼玉県内の選挙区に立候補する自民党現職の一人は、首相の不出馬決断の背景を「党役員人事の行き詰まりだろう」と分析し、「新しい顔になって自民党は盛り返す。内閣支持率はこれ以上下がりようがないんだから」と語った。

別の自民党現職は、総裁選のあり方が衆院選での浮沈を左右すると訴える。

「国民政党としてしっかりと開かれた討論を行えばプラスになる。しかし、政党内のパワーバランスで選出するようなことになればマイナスとなる」

総裁選には、岸田文雄前政調会長が立候補の意向を表明し、高市早苗前総務相も意欲を示している。

岸田派(宏池会)に所属する村井英樹衆院議員(埼玉1区)は産経新聞の取材に「コロナに打ち勝つには国民の信頼が必要だ。国民の声を聞く岸田氏がふさわしい」と重ねて強調した。(深津響、中村智隆、兼松康)

■知事「最後まで責任を」

埼玉県の大野元裕知事は3日の記者会見で、自民党総裁選への不出馬を表明した菅義偉首相に対し「レームダック(死に体)にならず最後まで責任を果たしてほしい」と求めた。「次の首相にはすぐに新型コロナウイルス対策に取り組んでほしい」とも述べた。