拉致解決「時間ない」被害者家族ら訴え 首相退陣受け - 産経ニュース

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拉致解決「時間ない」被害者家族ら訴え 首相退陣受け

横田早紀江さん(酒巻俊介撮影)
横田早紀江さん(酒巻俊介撮影)

菅義偉首相が自民党総裁選に立候補せず、退陣する意向を示したことを受け、北朝鮮による拉致被害者の家族らからは、問題解決の活動に長年関与してきた菅氏にねぎらいの声が上がった一方、一刻も早い局面打開に向けた行動を改めて切望する訴えが相次いだ。

横田めぐみさん(56)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(85)は、「菅首相は長く拉致問題に関わり、解決に向け動いていただいた。今後も同じ思いで、拉致解決への取り組みを続けてもらえると信じている」と述べた。その上で、「私たち家族は後がないほど老いて、残された時間はない。何とか、子供たちに一刻も早く祖国の土を踏ませ、私たちと抱き合わせてほしい」と痛切な思いを口にした。

田口八重子さん(66)=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(83)は、菅政権について、「拉致問題どころじゃなかった。新型コロナウイルスに五輪、社会的な事件含めて混乱していた。拉致問題が進展した印象はない」とコメント。「最終判断は拉致問題担当大臣ではなく、総理。総理が動かないと北朝鮮は動かない」とし、新首相のリーダーシップを強く求めた。

前任の安倍晋三政権は拉致解決を「最重要課題」に掲げ、菅政権もそれを引き継いだ。だが、家族らは進展の希望を幾度となく、打ち砕かれてきた。平成9年の家族会結成以来、首相は11回代わったが、現状も局面打開の糸口は見えない。家族らも長期化するコロナ禍で講演などの活動をほとんど実施できず、「風化」への危機感を強めている。

めぐみさんの弟、拓也さん(53)は、「全拉致被害者の即時一括帰国という、従前からのわれわれの要望は全く変わっていない」と改めて強調。「新たな政権も決して安易な妥協はせず、この目標を共有して歩みを進めてほしい」と話した。