「ブレーキ踏み間違え」 東京地裁、過失を認定

東京地裁に入る飯塚幸三被告=2日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
東京地裁に入る飯塚幸三被告=2日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

東京・池袋で平成31年4月、乗用車が暴走して通行人を次々とはね、母子が死亡した事故の判決公判で、東京地裁の下津健司裁判長は2日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(90)について「ブレーキとアクセルを踏み間違える過失があった」と認定した。

下津裁判長はこの日、飯塚被告に対し、禁錮5年(求刑禁錮7年)の実刑判決を言い渡した。

これまでの公判で弁護側は、経年劣化などが原因で車に異常が生じ、ブレーキが利かなくなっていたと無罪を主張。飯塚被告も「アクセルを踏んでいないのに加速した」とし、過失はなかったと訴えていた。

一方、検察側は、飯塚被告がアクセルとブレーキを踏み間違えたと主張し、車に故障や異常はなかったとする事故後の解析結果を証拠として提出。車の製造会社であるトヨタ自動車も「車両に異常や技術的な問題は認められなかった」と、弁護側の主張に反論するコメントを出していた。

判決によると、飯塚被告は平成31年4月19日昼、東京都豊島区東池袋の横断歩道を自転車で渡っていた松永真菜(まな)さん=当時(31)=と長女、莉子(りこ)ちゃん=同(3)=を乗用車ではねて死亡させ、男女9人に重軽傷を負わせた。

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