公取委、アップルの改善策に「審査が理解された」と評価 - 産経ニュース

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公取委、アップルの改善策に「審査が理解された」と評価

米アップルのロゴ(共同)
米アップルのロゴ(共同)

公正取引委員会は2日、米アップルに対する独占禁止法に基づく審査を終了する方針を発表した。公取委はアップル側が音楽配信や動画配信などのアプリ提供者に対し、ガイドラインでコンテンツ販売方法を限定する規定などを問題視してきたが、アップル側が改善策を提示したため。今回、アップルが自発的に5分野で規約改定をすることについて、公取委は「消費者やユーザー利便性に重きを置いて審査をしていることがアップル側に理解されたためではないか」(担当者)としている。

各国の規制当局による調査が進む中、アップルが収益の源泉としている手数料関連での改善を自ら規制当局に申し出るのは初めて。

今回、アップルは、音楽や動画、電子書籍や雑誌、ニュースの5分野のコンテンツ配信に関して、アプリ内でコンテンツ販売を行わない「リーダーアプリ」内で、これまで規程で禁じてきたコンテンツ販売サイトへの誘導する「アウトリンク」の表示を認めるというものだ。公取委は「アップルへの手数料を支払わずに課金できる方法を活用できることになり、コンテンツ価格が下がる可能性がある」と判断。アップルが表明した2022(令和4)年1~3月の規定変更を確認したうえで審査を終了する。

アップルはiPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)でのアプリ提供者に対し、アプリ内での有料コンテンツを販売する場合、決済をアプストア経由に限った上で、アプリ提供者側から販売額の30%を手数料として徴収。アプリ提供者は手数料支払いを回避するために、リーダーアプリを提供して自社サイトでコンテンツを販売することもできる。ただ、いずれの場合でも、アップル側はアウトリンク表示を規定で禁止してきた。

公取委は、アウトリンク表示を禁止する規約は、消費者にとって有料コンテンツの販売サイトが分かりにくく、結果としてアプリ外販売を断念させる恐れがあり、独禁法上の拘束条件付き取引や私的独占といった禁止行為に該当する懸念があると判断。平成28年10月、アプリ提供者にとって著作権料負担が重く、自助努力による費用圧縮が難しい音楽、動画、電子書籍の3分野に関して審査を開始した。

公取委は、アプリ提供者から、アップルのガイドラインそのものが分かりにくく、アプリ審査基準が不透明だという指摘についても同時に審査してきた。アップル側は今回、ガイドラインの明確化などの取り組みを進め、3年間にわたり年に1度の状況報告を行うと申し出たという。(日野稚子)