【鑑賞眼】新橋演舞場「喜劇 老後の資金がありません」 9月は大阪松竹座で - 産経ニュース

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鑑賞眼

新橋演舞場「喜劇 老後の資金がありません」 9月は大阪松竹座で

舞台「喜劇 老後の資金がありません」に出演する渡辺えり(右)と高畑淳子(松竹提供)
舞台「喜劇 老後の資金がありません」に出演する渡辺えり(右)と高畑淳子(松竹提供)

そんなに老後の資金が必要なのか-。金融庁の金融審議会が一昨年に公表した報告書に端を発した「老後2000万円問題」は、まさにわがこととして身につまされた。そんな老後資金を逆手に取り、笑い飛ばす舞台「喜劇 老後の資金がありません」が8月13日~26日まで、東京・新橋演舞場で上演され、来月は大阪公演が予定されている。

垣谷美雨(かきや・みう)による同名小説を舞台化。渡辺えり(66)と高畑淳子(66)のダブル主演で上演。

派遣社員として働きながらコツコツと老後の資金をためていた主婦、後藤篤子(渡辺)。娘の結婚やしゅうとの葬儀で老後の資金が激減していく中、夫婦そろってリストラに。一方、篤子の友人で、夫とベーカリーを細々と営む神田サツキ(高畑)は、生活費としてしゅうとめの年金に頼っていたがある日、しゅうとめが失踪…。

老後の資金が足りないという切羽詰まった状況を、「老後の資金がありませーん!」と明るく高らかに歌い上げたり、葬儀費用がかさむ状況をちゃかして描いたり、思わず笑いがこぼれる。

舞台「喜劇 老後の資金がありません」で歌う渡辺えり(右)と高畑淳子(松竹提供)
舞台「喜劇 老後の資金がありません」で歌う渡辺えり(右)と高畑淳子(松竹提供)

劇中、DV(ドメスティック・バイオレンス)疑惑が生じたり、詐欺まがいな事態に陥ったりするが、最後はうまく収まり、心をほっこりさせられる場面も。

俳優のマギー(49)が脚色・演出を担当した。マギーはこれまでもさまざまな作品の演出や脚本を手掛けてきた。とくにコントなどのお笑い作品で定評があったが、そのセンスが本作でも遺憾なく発揮されていた。

観客を楽しませようという渡辺のショーマンシップも〝全開〟で、初共演という高畑との〝化学反応〟も相まって愉快な舞台だった。老後の資金がなくても何とかなるさ、と明るい気分で劇場を後にした。

舞台「喜劇 老後の資金がありません」(松竹提供)
舞台「喜劇 老後の資金がありません」(松竹提供)

9月1日~15日、大阪市中央区の大阪松竹座。チケットホン松竹、0570・000・489。(水沼啓子)

公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。