【オプジーボ訴訟詳報】(5)小野薬品社長「後出しじゃんけんのような不合理な要求」 - 産経ニュース

メインコンテンツ

オプジーボ訴訟詳報

(5)小野薬品社長「後出しじゃんけんのような不合理な要求」

オプジーボの特許をめぐる訴訟の口頭弁論に出廷した小野薬品の関係者ら=2日午前、大阪地裁(恵守乾撮影)
オプジーボの特許をめぐる訴訟の口頭弁論に出廷した小野薬品の関係者ら=2日午前、大阪地裁(恵守乾撮影)

>(4)から続く

《がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許をめぐり、大阪地裁で2日行われた、ノーベル医学・生理学賞受賞者の本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授が、小野薬品工業(大阪市)を相手取った訴訟の口頭弁論。約2時間にわたる本庶氏への尋問後、小野薬品の相良暁(さがら・ぎょう)社長に対する尋問が行われ、同社側の代理人弁護士の質問に、相良氏はオプジーボ開発に至るまでの状況や本庶氏との契約の経緯を振り返った》

--(本庶氏が発見した免疫を抑制するタンパク質)「PD-1」研究に対する見方はどのようだったか

相良氏「認知は低く、これが本当に抗がん剤になるのかという状態。それでも、ひょっとしたらすごくなるかもしれないという程度の認識だった」

--平成18年に特許使用料についての契約を結んだ。この契約について本庶氏が不満を持っていると初めて聞いたのはいつか

相良氏「23年の面談で、『ロイヤルティーが低いので見直したい』との話があった。理屈では、(元の)契約があるので応じる必要はない。だが、研究がもっと魅力あるものになれば関係がこじれることは好ましくなく、ある程度は歩み寄らないといけないと思った」

《話題は契約の見直し交渉がもつれていく状況に踏み込んでいく。最初は淡々とした口調だった相良氏だが、身ぶり手ぶりを交えた返答が増え、語気を強める場面もあった》

--双方の代理人を通じた交渉が始まった

相良氏「ロイヤルティーを上乗せする形で話が進み、会社としても精いっぱいやったが、(本庶氏の提案は)受け入れられなかった」

--一方でメルク訴訟も起き始めている中で、「(契約見直し交渉は)訴訟の問題と切り離せない」との手紙を本庶氏から受け取った

相良氏「訴訟への協力を盾にロイヤルティーの問題を解決したいのだろうが、脅しのような申し入れに屈することはできない。わずらわしいが、解決したいとも思っていた」

--そこで本庶氏と(26年9月に)面談した

相良氏「(面談では)18年の契約についての不満と要求を改めて主張されていたかと思う。こちらは(オプジーボのプロモーション活動やメルク訴訟への協力など)一定の前提条件を申し上げた上で、ロイヤルティーの上乗せと訴訟協力への対価を伝えた。当日は詳しく説明していないが、数字の部分が大枠で合意に向かうなら、代理人を通じて各項目の話し合いになるので、そこで説明すればよいと思っていた」

--メルク訴訟で和解金を得た場合、実際にはどう対応するつもりだったか

相良氏「面談での話は大枠のつもりで、その方向で進むのであれば、取締役会に諮ろうと思っていた。口頭契約なんてありえない」

--その後、小野薬品の担当者が本庶氏と再び会った

相良氏「(提案について)『はした金』と言われたようだ。会社としてはあれ以上は出せないという判断もあり、それがはした金ならすぐには(本庶氏との問題は)解決できないと感じた」

--本庶氏との問題や今回の訴訟についてどのように考えているか

相良氏「会社として大きなリスクをとり、血のにじむような思いだったのに、(本庶氏は)あたかも自分1人で世に出したようにおっしゃるが、それは違う。後出しじゃんけんのような不合理な要求が認められると、小野薬品だけでなく製薬産業のあしき前例になる。メーカーの使命と経営をご理解いただきたい」

《約30分で主尋問は終了。本庶氏はこの間、自身の代理人弁護士と話しながら、相良氏の証言に静かに耳を傾けていた。続けて本庶氏側の代理人弁護士による反対尋問が始まった》

>(6完)へ続く