新型コロナウイルスの感染拡大が続き、衛生対策への関心が高まっている。そんななか、「手間がかからず効果を見込める」として注目されているのが「光触媒」を活用した除菌・消臭製品だ。
光触媒とは、光(一般的には紫外線)をあてると、化学反応を促進する物質で、「二酸化チタン」などが知られている。反応によって発生した活性酸素が空気中の菌やカビなどに作用して、その分子構造を破壊、水や二酸化炭素に分解して無害化するという。
この仕組みを活用した空気消臭除菌装置を販売しているフジコー(北九州市)は、さらに接着溶剤を使わずに光触媒を基板にコーティングする独自技術を確立、「触媒を溶剤に埋もれることなく均一に並べて光があたる面積を大きくすることに成功した」という。
また、「他の金属を混ぜることで、太陽光などの紫外線だけでなく、LEDや蛍光灯でも反応できるようにした」とも。
こうした性能が評価され、コロナ禍で衛生対策がとりわけ重視される医療・介護施設からの問い合わせは「コロナ前は1カ月に約10件ほどだったが、コロナ後は約100件を超えている」という。さらには学校やオフィス、一般住宅などでも需要が拡大、令和2年度の除菌装置事業の売上高は前年度比で約8倍に。生産台数もOEM(相手先ブランドによる生産)を含め元年度の約8千台から 約13万台になったという。
(取材協力 フジコー)