九州初の自動運転バス運行順調 福岡県みやま市

福岡県みやま市が運行を始めた自動運転バス
福岡県みやま市が運行を始めた自動運転バス

福岡県みやま市は、九州で初めてとなる自動運転サービスによるコミュニティーバスの運行を山川地区で始めた。ゴルフカート型の6人乗り電気自動車が、道路に埋設した電磁誘導線からの磁力を感知して自動走行する仕組みで、全国では3番目の導入。7月19日の運行開始以来、これまでのところ大きなトラブルもなく、順調な運行が続いている。

高齢化社会に備え

みやま市は平成19年に瀬高、高田、山川の3町が合併して誕生したが、中山間地の人口減少と高齢化が大きな悩み。中でも「みかんの里」として知られる山川地区の人口4243人に占める高齢化率は42・5%と同市の平均38・2%を上回る(4月現在)。今後、車の運転ができない住民が増え、タクシーなどの運転手不足も懸念されている。

国道を走行中の自動運転バス
国道を走行中の自動運転バス


そこで同市は将来の中山間地の交通手段を確保し地域活性化を図ろうと、国土交通省などの「戦略的イノベーション創造プログラム」を活用。県とも連携し平成29年度から2年にわたって、自動運転サービスの実証実験をしてきた。

今回始まった自動運転サービスは、実証実験の結果を踏まえ、旧山川町を南北に貫く国道443号の往復7・2キロの区間に設定された。市バイオマスセンター「ルフラン」に新たに停留所を設けて出発点とし、新設した「Aコープ山川店前」から折り返す。この区間は、商店や住宅が軒を連ね、山川市民センターや市山川支所があり、停留所も7カ所設けられている。

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