ロンドンの甃

マスクをめぐる議論

アフガニスタン情勢を受けて8月18日に緊急招集された英下院では、出席者の制限などこれまでの新型コロナウイルス対策が緩和され、議員が久々に密集して座る光景が見られた。与党・保守党議員の大半はマスクを着用せずに出席し、話題にもなった。

ジョンソン政権は7月、イングランド地方で店舗でのマスク着用義務などを撤廃したが、混雑時の着用は推奨していた。そのため、議会の運営に携わる事務員らは「同僚の健康状態を軽視している」と保守党議員を非難した。

ただ、英国民からは保守党議員を責める声はそれほどは聞こえてこない。知り合いのロンドン市民は「こんなことで批判すること自体がナンセンス」とあきれ顔だ。「英政府は7月にマスクの着用の有無は『自己責任』と決めたはず。義務ではないので保守党議員には罪はない」と。

こういった声がでるのは、ワクチン接種が進んだ影響でマスク着用の義務化撤廃時に懸念された「感染爆発」に至っていないからかもしれない。最近は近所の住民から「コロナを怖いと思うことはなくなった」という声すら聞く。それでも、1日当たりの新規感染者数は3万人ほどで高止まりしたままだ。感染者数が急増しないことを願っている。(板東和正)