台風21号の倒木を展示 若木も芽吹く

人の背丈の何倍もある巨大なポプラの倒木が横たわる。被災当時の姿を残している=堺市北区の大泉緑地
人の背丈の何倍もある巨大なポプラの倒木が横たわる。被災当時の姿を残している=堺市北区の大泉緑地

関西国際空港が閉鎖されるなど近畿地方に甚大な被害をもたらした平成30年の台風21号は、大阪府内各地の公園や緑地の木々もなぎ倒し、大きな爪痕を残した。公園の中には、自然災害の脅威を伝えようと、今も倒木の一部を当時に近い状況で展示している施設もある。中には若木が芽吹いた倒木もあり、樹木の生命力に触れることもできる。

樹木の生命力も伝える

「こんな立派な木が倒れるなんて、どれほどの風だったのかってことよね」

河内長野市の「府立花の文化園」を訪れた人たちの目線の先に、根こそぎ倒れた大木が横たわっていた。同園では台風21号の影響で、100本以上が倒れたり、折れたりする被害を受けた。中でも芝生広場にあった樹齢約45年、幹回り約3メートルの同園最大級のセンペルセコイア(ヒノキ科)は、根元付近を中心に残して、展示されている。そのうち根元から若木も育ち、植栽担当の本田高史さんは「台風の脅威や自然のすごさとともに、生物の力強さも感じとってもらえたら」と語る。同園を訪れていた女性グループも「植物の世代交代もわかるね」などと感心した様子だった。

一方、約800本が倒れるなどの被害があった堺市北区にある大泉緑地では、倒れた幹回り約3・1メートルのポプラ(ヤナギ科)の根の部分まで展示している。「特に根は普段見えない部分なので驚く利用者さんが多いと聞きます」と管理事務所の廣岡聡さん。倒木を加工して再利用した丸太のイスも敷地内に置いている。

倒木など約4千本という大被害を受けた大阪市鶴見区の花博記念公園鶴見緑地でも山のエリアで幹回り約3メートルのユーカリ(フトモモ科)の根株を展示する。もともと別の場所に植えられていたが、上部を切り落として沿道に移動させた。鶴見緑地パークセンターの高井風人さんは「ユーカリは枝が四方に広がるため風の影響を受けやすかったようです」と振り返る。いずれの施設も展示箇所には看板を設置し、当時の状況について説明、自然の力を伝えている。(北村博子)