四国愛たっぷり ゆるキャラ入りマスクが人気 - 産経ニュース

メインコンテンツ

四国愛たっぷり ゆるキャラ入りマスクが人気

四国4県のキャラクターが押印された山陽物産のマスク
四国4県のキャラクターが押印された山陽物産のマスク

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの需要が急拡大し、地方でもマスク製造に新規参入する企業が増えている。愛媛県松前町の「山陽物産」もその一つ。ホテルのアメニティーグッズを製造・販売している会社だが、昨年3月に完成した新工場で不織布マスクの生産を始めた。何とか差別化をはかろうと四国4県のご当地キャラクターなどをワンポイントロゴとして刻印。〝四国愛〟を強調して、大手スーパーなどに販路を伸ばしている。

1箱50枚入りの商品を手にする武内英治社長
1箱50枚入りの商品を手にする武内英治社長
あてが外れた五輪

山陽物産は歯ブラシをはじめとするホテル・旅館向けアメニティーグッズの企画、製造、販売を手掛けている。

社長の武内英治さん(54)によると、新工場は東京五輪・パラリンピックでホテルのアメニティー需要が大幅に増えると見込んで計画したものだった。「オリンピックでもうけようと思ったのだが、あてが外れた」と武内さんは苦笑するが、真新しい工場は清潔で、マスク製造にぴったりだった。

昨年11月下旬、愛媛県から不織布マスク生産設備導入支援事業補助金の交付を受けた。マスクが足りなくなった際には提供するという内容の協定を県などと結び、生産を開始。「マスク製造は初めて。新工場がなかったらやってなかった。耳にかけるひもやノーズワイヤなど、今も勉強中です」と武内さんは話す。

山陽物産のマスクは3層の不織布。第三者試験機関の一般財団法人カケンテストセンター(広島県福山市)で性能検査を受けた評価に基づき、飛沫(ひまつ)や花粉、ハウスダストを99%カットする高性能フィルターとして売り出している。

アイデアで打開策

マスク製造は国内にも大手企業が複数あり、新規参入するには実はハードルが高い。愛媛県内で紙製品を製造する別の企業の社長は「機械を導入すればマスクは作れる。でも、大手にかなわないのが分かっているので、うちはやりません」と打ち明ける。同社も「なかなか売れなかった」と武内さんは言う。

社員が知恵を出し合い、愛媛県のイメージアップキャラクターで「ゆるキャラグランプリ」で平成27年には準グランプリを獲得し人気が定着した「みきゃん」に着目し、マスクの右下隅に小さくロゴとして刻印したところ「かわいい」「おしゃれ」と好評を得た。県内のホームセンターやスーパーに置かれるようになり、売り上げが伸びたという。

これを機に、同社は四国4県のロゴをそろえることに。高知県は「高知家」、徳島県は「すだちくん」を用い、香川県は「うどん脳」を採用した。今年7月に4県分がそろったという。

愛媛県は基本色の白以外に、オレンジ色の「みきゃん」も。もう一つのキャラクター「ダークみきゃん」も緑色で商品化。このほか五輪・パラリンピックを意識して「Japan」と刻印した商品(白、ピンク)なども企画し、製造している。

「大手と勝負するには、キャラクターをつける。こっちしかない。今のところは成功していると思います。マスクを売りに行く仕事ができ、社内も活気がありますよ」と、武内さんは手応えを感じている。

コロナ禍にアイデアで立ち向かう山陽物産のマスク商品
コロナ禍にアイデアで立ち向かう山陽物産のマスク商品
試練は次々に

とはいえ、同社の主力はあくまでもアメニティーグッズ。マスクはまだ売り上げの1割に満たない。コロナ禍はホテル・旅館業界を直撃しており、アメニティー需要は減少している。

さらに、来年から施行される「プラスチック資源循環促進法」では、プラスチック削減を目指す取り組みの一環として、現在は無料で提供されているアメニティーグッズが有料化される見通しが出ている。

同社は「脱プラ」の取り組みとして2年前に米を35%配合した歯ブラシを開発するなど環境商品づくりを推進してきたが、有料化となれば需要減少は避けられない。

「これからは新しいステージだ」と武内さんは引き締める。「コロナ禍が終わるとマスクも需要が減るだろうが、病院や給食センターなどを地道に回っていく。マスクは作り続けたい」と話している。

四国のご当地マスクは地元のホームセンター、スーパーに置いている。インターネットサイト、楽天市場でも販売している。(村上栄一)