「命のらせん階段」 震災遺構で社員が防災研修

震災遺構で行われた「阿部長商店」の社員研修=1日、宮城県気仙沼市
震災遺構で行われた「阿部長商店」の社員研修=1日、宮城県気仙沼市

宿泊業などを営む宮城県気仙沼市の「阿部長商店」は1日、東日本大震災の津波から住民を救った震災遺構「命のらせん階段(旧阿部家住宅)」で社員研修を行った。津波の威力でひしゃげた階段を目の当たりにした約20人は、防災への思いを新たにしていた。

気仙沼湾のそばにある遺構は創業者(故人)の自宅で、周囲に高台はない。1960年のチリ地震津波で被災した教訓から、創業者が鉄骨3階建ての外側に地域住民の避難目的でらせん階段を設置。避難訓練も行い、実際に約5メートルの津波が襲った震災時には、住民約30人が難を逃れた。

震災遺構「命のらせん階段」を背に社員研修を行う「阿部長商店」グループの阿部憲子さん(左から2人目)=1日、宮城県気仙沼市
震災遺構「命のらせん階段」を背に社員研修を行う「阿部長商店」グループの阿部憲子さん(左から2人目)=1日、宮城県気仙沼市

「阿部長商店」グループの南三陸ホテル観洋(同県南三陸町)のおかみ阿部憲子さん(59)は「災害時は避難所にもなる宿泊業の役目は大きい。『備災』が重要だ」と訴えた。

同遺構は、市の公園造成事業に伴い、建物を解体せずに持ち上げる「曳屋工事」で今年6月、約85メートル先に移設した。

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