緊迫のカブールから東京へ、アフガン代表がパラに初出場

東京パラリンピックに遅れて参加し、陸上男子走り幅跳び(上肢障害T47)の選手紹介で、笑顔でポーズをとるアフガニスタンのホサイン・ラスーリ=国立競技場
東京パラリンピックに遅れて参加し、陸上男子走り幅跳び(上肢障害T47)の選手紹介で、笑顔でポーズをとるアフガニスタンのホサイン・ラスーリ=国立競技場

祖国の政情不安で一時は参加を断念した選手が夢の舞台に立った-。8月28日に来日したアフガニスタン代表2選手の一人、ホサイン・ラスーリ(26)が31日、東京パラリンピックに同国代表として初出場を果たした。陸上男子走り幅跳び(上肢障害T47)で自己ベストを記録。上位には食い込めなかったが、アフガンのスポーツ界に新たな1ページを刻んだ。

会場の国立競技場(東京都新宿区)で、ホサインはスクリーンに映るアフガン国旗を背に右手を掲げて入場し、観客席のスタッフらの声援に応えた。

最初は緊張した様子だったが、有力選手を前に懸命に跳躍し、3回目の試技で自己最長の4メートル46を跳んでみせた。競技後はカメラの前で手を振り、笑顔を見せるシーンもみられた。

2013年、イスラム原理主義勢力タリバンの地雷で左前腕を失った。首都カブールでメディアの取材に応じた際は、「腕を奪ったタリバンには憤りしかない。戦争に負けず、障害があっても何でもできると証明したい」と語っていた。

だが8月、そのタリバンがアフガンの実権を掌握したことで出国できず、一時は参加を断念。その後、複数の国や団体の支援を受けて、23日にカブールからパリに退避し、28日夜に東京入りを果たしていた。

本命種目の100メートルが既に終了しており、本人の希望で走り幅跳びに参加。もう一人のザキア・フダダディ(22)は2日、テコンドー女子に出場する。

オーストラリア公共放送SBSによると、支援する弁護士の話として、2人はパラ大会後、豪政府に難民として保護される見通しだという。(桑村朋)