全国学力テスト コロナ休校の影響確認されず データ読み解きに課題も

全国学力テストの開始を待つ6年生の児童ら=5月27日午前8時38分、大阪市東住吉区の大阪市立育和小学校(鳥越瑞絵撮影)
全国学力テストの開始を待つ6年生の児童ら=5月27日午前8時38分、大阪市東住吉区の大阪市立育和小学校(鳥越瑞絵撮影)

文部科学省は31日、小学6年と中学3年を対象に今年5月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。新型コロナウイルス流行に伴う臨時休校など学習状況の変化で学力低下が懸念されたが、全教科とも平均正答率への影響は確認されなかった。ただ、新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」と位置付けられたデータの読み解きなどには課題が見られ、同省は今回の結果分析を授業改善などにつなげるよう各教育委員会に求めていく。

テストは国公私立計約2万9千校の児童生徒約194万人を対象に実施。昨年はコロナ禍の一斉休校で中止となり、2年ぶりの調査となった。国語と算数・数学の2教科が出題され、小6では新指導要領に基づく新領域の設問もあった。

全国の平均正答率は小6で国語64・9%、算数70・3%。中3で国語64・9%、数学57・5%。休校期間別に比較したところ、10日未満と90日以上の学校の成績の差は各教科とも0・3~2・3点の範囲にとどまっており、文科省は「休校期間と正答率の間には、全体でみると相関は見られなかった」と判断した。

理由については、休校中や授業再開後に、学校現場が夏休みの短縮や土曜授業で補習などを積極的に行ったことが、学力低下の抑制につながったと推測した。

一方、複数の文章や資料を結び付け必要な情報を読み解いたり、日常の事柄を表やグラフを使い数学的に説明したりする設問の正答率に低い傾向が見られた。

こうした思考力や判断力を問う領域は、小学校で昨年度から、中学校で今年度から全面実施となった新指導要領で重視されており、文科省は「指導の充実や学習環境を改善するため、教育委員会と連携して進めていく」としている。