アフガン撤収 外国人ら退避継続は難航も

演説するブリンケン米国務長官=30日、ワシントン(ロイター)
演説するブリンケン米国務長官=30日、ワシントン(ロイター)

ブリンケン米国務長官は8月30日、米軍のアフガニスタン撤収完了後も取り残された米国人や他の外国人、アフガン人協力者らの退避に向け、同国の実権を掌握したイスラム原理主義勢力タリバンとの折衝を続けると強調した。しかし、主要な出国ルートである首都カブールの国際空港の再開時期が見通せないなど、先行きは不透明だ。

ブリンケン氏は、アフガンからの退避を希望しながら残っている米国人が100人超から200人弱いると説明。アフガンにルーツを持つ二重国籍者が出国をためらうケースもあるものの、「国として全力で保護する」と強調した。

だが、外交面でのタリバンへの働きかけや現場レベルでの協力は今後いっそう難航する可能性が高い。米国は同日付で在カブールの大使館業務を停止して機能をカタールの首都ドーハに移転させており、米軍撤収で軍事力の裏付けを失ったのに加えて、外交的なプレゼンス(存在感)の低下も避けられないためだ。

残留者の退避は米国だけの問題ではない。英国のウォレス国防相は8月27日時点で、100~150人の英国人と退避の資格がある千人前後のアフガン人が取り残されるとの見通しを示している。ロイター通信によると、ドイツも約300人の国民が残っている。

このため国連安全保障理事会(15カ国)は30日、タリバンに対し、希望者はいつでも出国できるとした27日の声明を順守し、安全な渡航を保証するよう求める決議案を賛成多数で採択した。米英仏など13カ国が賛成し、中露は棄権した。

米連邦航空局(FAA)は30日、航空管制システムが停止していることなどを理由に、米民間機の同空港への乗り入れを禁じると通知し、アフガン上空の飛行もほぼ全面的に禁止。米国など国際社会とタリバン支配下のアフガンの間には、円滑な退避継続に不可欠な外交上の調整機能や空港運営能力の確保といった課題が山積している。(ワシントン 大内清、塩原永久、ニューヨーク 平田雄介、ロンドン 板東和正)