韓国「言論統制法」採決9月以降に

【ソウル=時吉達也】誤報やフェイクニュースへの罰則を強化する韓国の「メディア仲裁法」改正案について、最大野党「国民の力」は30日までに、法案が上程されれば長時間の演説で議事進行を遅らせる「フィリバスター」を行う方針を表明した。同日に予定されていた国会本会議での採決は、9月以降に延期される見通しとなった。

韓国国会法の規定により、フィリバスターは臨時国会が閉会する31日に期限を迎え、9月1日の通常国会開会後は議席の約6割を占める与党「共に民主党」側による強行採決が可能となる。一方、国内外で「言論統制」法案に対する非難が強まる中、与党内でも強行採決への懸念を示す声が上がっており、同党は30日、議員総会を開催し今後の方針を協議した。

報道による人権侵害の救済策などを定めた「メディア仲裁法」の改正案は、「故意や重過失」による虚偽・捏造(ねつぞう)報道に対し、損害額の最大5倍の賠償を報道機関に命じるなどと規定。故意性や過失の定義が抽象的で、「恣意(しい)的な判断が下されるおそれがある」との懸念が広がっている。