日本のNPO、マネロンに悪用懸念 テロ資金への低い危機意識指摘

日本のマネーロンダリング(資金洗浄)対策が30日、国際組織「金融活動作業部会(FATF)」の審査で、再び実質的な「不合格」と判断された。アフガニスタン情勢の混迷などを受け世界では難民支援の重要性が高まるが、審査は日本の国際NPO(民間非営利団体)がテロ資金の洗浄に悪用されるリスクに警鐘を鳴らすなど、マネロンに関する関係者の低い危機意識と自覚のなさを指摘した。

今回、日本は資金洗浄対策の関連法整備など40項目の審査のうち、「NPOの悪用防止」の項目で最低評価の〝不履行〟と判断された。テロ資金提供を処罰する法整備などが遅れており、「知らず知らずのうちに、テロ資金供与の活動に巻き込まれる危険性がある」NPOについての認識が不十分だとの理由だ。

金融庁も「日本は性善説に立ち、NPOを信用して資金供与している」と、FATFが指摘するリスクを認める。

NPOの中には、テロ関係者が設立・関与して資金を調達したり、寄付金をテロ活動へ流用したりするなど最初から犯罪を目的としている集団が潜んでいる可能性もある。

政府は来年に向けマネロンの対策強化を図るとしているが、強力な取り締まりが必要だ。

一方、金融機関はマネロン対策に取り組むが、電子決済サービスや暗号資産(仮想通貨)の悪用など手口は巧妙かつ多様化しており、対応に苦慮しているのが実態だ。警察庁によると、マネロンが疑われる取引は令和2年まで5年連続で40万件を超えた。

デジタル化の対応では、窓口での本人確認手続きなどをしなくても銀行口座を開設できるインターネットバンキングの拡大で、不正送金なども増加している。新型コロナウイルス禍も、外出を避けられるネットバンクの利用を押し上げている。

平成30年には巨額の仮想通貨が不正流出し、令和2年にはNTTドコモのスマートフォンを使った「ドコモ口座」で預貯金の不正引き出しが起きた。利用者の利便性向上は、金融機関が新たなリスクを抱える原因にもなっている。

デジタル技術の進歩に合わせ金融機関も対応を急ぐが、不正を検知するシステムの改修は「その都度、数十億円規模の投資が必要」(大手銀行)とされる。メガバンクに比べ資本力の小さい地方銀行などの対応の遅れも懸念される。(西村利也)

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