韓国の101歳哲学者、文政権の中朝傾斜を憂慮 強権主義対抗、日本に期待 - 産経ニュース

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韓国の101歳哲学者、文政権の中朝傾斜を憂慮 強権主義対抗、日本に期待

インタービューに応じる金亨錫・延世大名誉教授=7月、ソウル(桜井紀雄撮影)
インタービューに応じる金亨錫・延世大名誉教授=7月、ソウル(桜井紀雄撮影)

【ソウル=桜井紀雄】韓国で「賢者」と呼ばれて尊敬される101歳の哲学者、金亨錫(キム・ヒョンソク)延世(ヨンセ)大名誉教授が産経新聞のインタビューに応じた。金教授は、中国と北朝鮮に傾倒する文在寅(ムン・ジェイン)政権への憂慮を示し、中国の強権主義に対抗する上での日本の役割に期待を示した。

金教授は1920年に平壌で生まれ、日本の上智大を卒業した。同郷だった北朝鮮の金日成(イルソン)主席と対面した経験もある。47年に脱北後は長年、教壇に立ってきた。脱北したのは「宗教や思想の自由がない国になる」と悟ったためだ。日本の大学を出た友人は現朝鮮労働党の要職に登用されたが、自由な考えがたたり排除され、自殺したという。

党のすることが正義とされる共産主義体制では、家族の間でも本当のことを話せなくなり、「真実と正義、人間愛がなくなる」と金教授は強調する。

中国では習近平国家主席が毛沢東時代の強権体制に戻ろうとしており、香港でも民主派の弾圧が続いている。70年以上前に自身が平壌で体験した自由や真実の喪失が今、香港で起きていると感じる。中国の強権思想が「21世紀にも残っているのは大きな不幸だ」と断じた。

左派の文政権もメディアへの圧力を強めており、「自由がなくなり、中朝のようになれば、人間愛も壊れていく」と危惧を示す。

親日派を排除した北朝鮮に対し、韓国は親日派を温存したため、日本からの独立という正統性では劣る-こうした歴史観を文大統領は持っていると金教授は指摘する。文氏の反日傾向について「(日本統治時代の)抗日運動をするみたいに愛国者として尊敬されたいとの考えにとらわれている」と解説した。

「韓日関係は未来に向かうべきなのに、文大統領も安倍晋三前首相も過去を引きずって解決できなかった」。金教授はこう語り、悪化した関係を放置するのは「今後20~30年の韓日の若者の希望を奪うことだ」と憂慮した。文氏の考えに変化の兆しはないとして、「政権が代わる」必要性にも言及した。

日本については、米国など自由民主主義国家と手を携えて中国の覇権を阻むべきだと期待を示す。「日韓やアジアの今後50年の行方」は日韓の選択次第だとも強調した。文政権は「中国に頼って北朝鮮と統一できないかと考えており、50年後には大きな失敗だと分かる」と警告する。

金教授は今も韓国紙へのコラム執筆や講演を精力的にこなしている。文政権と対立して辞職した尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長が3月、大統領選への出馬表明に先立って助言を求めたことでも注目された。

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